アメブロで副業やビジネスとして収益を得ていると、「いくら稼いだら確定申告をしないといけないの?」と疑問を抱く方も多いでしょう。実は、所得額や働き方(給与所得者かどうか)によって確定申告が必要になるラインが異なります。さらに、例外的に申告が求められるケースも存在するため、正確な知識を身につけておくことが重要です。
本記事では、アメブロで稼ぐ際の確定申告の基本ルールや、所得額の計算方法、例外事例などをわかりやすく解説。初心者でも安心してブログ収益を管理し、トラブルを回避できるヒントが満載です。ぜひ最後までお読みいただき、正しく申告して安心してアメブロを楽しみましょう。
目次
アメブロで稼ぐと確定申告が必要?

アメブロで稼いだ場合、どのタイミングで確定申告が必要になるのかは、多くのブロガーが最初に疑問に思うポイントです。実際に、アメブロで副収入を得ている人の中には「ブログでの収益は少額だから大丈夫」「会社勤めをしていて源泉徴収もされているので不要では?」など、さまざまな推測をしてしまいがちです。
しかし、税務署や国税庁のルールによると、一定の金額を超える所得を得た際には確定申告が義務となり、所得税や住民税を正しく納める必要があります。アメブロを利用して収益を上げる場合にも、これは当然当てはまるため「いくら稼いだら申告しなければならないのか」「給与所得以外の収入はどう整理すればいいのか」を明確に把握することが大切です。
そもそも確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間に得た収入や経費を整理し、税金の過不足を精算するための手続きです。サラリーマンなど給与所得者であれば会社が年末調整を行ってくれる場合が多く、通常は追加で確定申告をする必要はありません。
しかし、給与所得以外にも副業収入や不動産収入などがある場合、それらの所得を合算して税金を計算し、申告を行わなければならない可能性があります。アメブロの収益も、アフィリエイト報酬や商品販売による売上など形態を問わず、一定の基準を超えると「雑所得」や「事業所得」として扱われ、確定申告の対象になる点に注意が必要です。
また、アメブロの収益は少額だからといって放置していると、後々トラブルに発展するケースも否定できません。とくに近年は、フリマアプリやブログアフィリエイトなど、多様な副業手段が広まっており、税務当局もこれらの収益を慎重に監視しています。
もし所得が基準を超えているのに確定申告を行わずにいると、本来支払うべき税金だけでなく、延滞税や加算税などのペナルティが課される可能性があります。そうしたリスクを回避するためにも、自分のブログ収益が確定申告の必要性を満たしているかどうかを早めに確認し、必要に応じて書類を準備しておくことが大切です。
さらに、アメブロで稼ぎが増えてくると「どのタイミングで個人事業主として開業届けを出すべきか」「青色申告か白色申告か」という検討事項も出てきますが、まずは「副業としての年間所得がいくらになるか」を見極めるのが先決です。
給与所得者の場合は20万円、給与所得者以外の場合は38万円といった基準があるので、そのラインを超えそうな方は、申告時期までに経費や収益を正しく管理し、速やかに申告できるよう備えておく必要があります。
ブログ運営を趣味の延長と捉えている人でも、思わぬヒット記事が生まれて急にアクセスや収益が増大するケースは珍しくありません。急な収益アップが生じても慌てないよう、最低限の知識と準備を持っておきましょう。
- 年間所得額が一定額を超える場合に申告義務が発生
- 給与所得者かどうかで基準となる所得額が異なる
- 申告漏れや無申告には延滞税・加算税などのリスクあり
- 副業の収益が大きくなる前から最低限の知識を身につけると安心
このように、アメブロで稼いだ場合の確定申告は、自分の就労形態や所得額次第で義務が生じる可能性があるため、決して他人事ではありません。
次の見出しでは、給与所得者と給与所得者以外の違いに焦点を当て、どのような場合に確定申告のハードルが下がったり、逆に義務が生じたりするのかを詳しく掘り下げていきます。
給与所得者と給与所得者以外の違い
給与所得者とは、会社や団体などから給与や賞与を受け取っている人を指し、毎年の年末調整によって所得税が精算されます。
一方、給与所得者以外は、個人事業主やフリーランス、無職、主婦・主夫、学生など、給与以外の収入を主として生活している人です。アメブロで稼ぐ場合、給与所得者と給与所得者以外では、確定申告の必要性が生じる所得額の基準が異なるため、まずは自分がどちらに当てはまるのかを明確にしておきましょう。
一般的に、給与所得者は会社が源泉徴収を行い、年末調整で大半の税金が精算されます。そのため、アメブロを使った副業で稼いだ所得が年間20万円以下であれば追加の確定申告が不要とされています。
これは、国税庁が示している「給与所得者の副収入に関する特例」の一環です。ただし、20万円以下であっても住民税の申告は必要な場合があり、自治体によって対応が異なることがあるため、注意が必要です。
一方、給与所得者以外の場合は、本業と副業の収入がいずれも給与所得ではないため、アメブロ収益が38万円以上になると確定申告の義務が発生する可能性が高いです。
これは、基礎控除が38万円(2020年分以前)または48万円(2021年分以降の変更があった自治体の場合)という仕組みによるものです。簡単に言えば、年収が基礎控除額を超えた部分に対して所得税がかかるため、申告の必要性が出てきます。
- 給与所得者:年末調整で税金を精算
>アメブロ副収入が20万円を超えた場合は確定申告が必要 - 給与所得者以外:年末調整なし
>アメブロ所得が38万円以上(または48万円以上)で確定申告義務
- 給与所得者でも、医療費控除や住宅ローン控除を受ける際に確定申告が必要な場合がある
- その際、副収入(アメブロの所得)が20万円以下でも申告書に記載する必要あり
また、会社員でも副収入を得ていることが会社にバレるのを避けたい場合、住民税の納付方法を「普通徴収」に変更する方法があります。ただし、これは確定申告で収入を正しく申告したうえで、自分で住民税を納付するという選択をするものであり、申告をまったく行わないわけではありません。
無申告や過少申告をしてしまうと、後々税務署の調査でトラブルになる可能性があるため、正直に所得を計上し、適切に税金を支払うのが基本です。
こうした給与所得者か給与所得者以外かの違いを踏まえて、自分の副業スタイルや稼ぎ方に合った確定申告対策を取ることが大切です。
たとえば、まだアメブロでの収益が少ない場合は20万円や38万円を目標ラインとして意識しつつ、必要になったらすぐ申告できるように収支管理や領収書の保管を始めておくとスムーズに対応できます。次の見出しでは、具体的に「いくら稼いだら確定申告しなければならないのか」を詳しく解説していきます。
いくら稼いだら確定申告するのか
先述の通り、給与所得者であればアメブロからの年間所得が20万円を超えると確定申告が必要になるケースが一般的です。
所得とは、(収入)−(必要経費)を差し引いた金額であり、アメブロで得た報酬の合計金額が20万円以上でも、経費を引いた結果19万円以下なら確定申告不要になることもあります。逆に、収入額が25万円で、必要経費が5万円だった場合、所得は20万円になり、申告義務が発生する可能性が高いわけです。
一方、給与所得者以外のフリーランスや専業主婦、学生などの場合は、年間所得が38万円(または48万円)を超えると原則として確定申告が必要です。
この金額は基礎控除に関係し、通常38万円が基準とされてきましたが、2020年以降の税制改正で基礎控除が最大48万円に引き上げられた自治体もあるため、最新情報を確認することが大切です。ただし、住民税の計算には独自の基準が適用される場合があるため、自治体によって取り扱いが異なる点にも留意が必要です。
- アメブロの年間所得(収入−経費)が20万円超 → 確定申告義務
- 医療費控除などで確定申告を行う場合、副業所得が20万円以下でも記載要
- アメブロの年間所得が38万円(もしくは48万円)超 → 確定申告義務
- 事業所得と合算する必要がある場合もあり
では、「20万円や38万円のラインぎりぎりで収益が出そう」というケースはどうすればいいのでしょうか。この場合、経費をきちんと整理して実質所得を下げることで、確定申告義務を回避できる可能性があります。
インターネット通信費やブログ運営に必要なソフトウェア代、カメラなどの道具購入費を適切に計上すれば、課税対象額が小さくなるためです。ただし、過度な経費計上や、実際には関係ない支出を混ぜると、税務調査で指摘される恐れがあるため、正確かつ実態に見合う経費を淡々と算出することが重要です。
また、アメブロを本格的にビジネスとして育てたい場合や、1年間での収益増が見込まれる場合は、早めに確定申告の手順に慣れておくと後々スムーズです。特に、月数万円レベルのアフィリエイト収益でも、積み重なれば年間20万円を簡単に超えてしまうことは珍しくありません。
ブログ開設当初から収支を記録しておく習慣をつけるだけでも、いざ申告が必要になった際に対応が楽になります。こうした数字管理の意識を持つことは、ブログを収益化するうえでも役立つスキルと言えるでしょう。
アメブロの所得額を正しく計算する方法

アメブロで稼いだお金を申告すべきかどうか判断する際、まず正確な「所得額」を算出することが欠かせません。所得額とは、単純に「稼いだ金額(収入)=報酬」とは異なり、そこから必要経費を差し引いた「純粋な利益部分」のことを指します。
ここを勘違いしていると、本来は確定申告不要なはずの人が多めに納税してしまったり、逆に所得を過小評価して申告漏れ扱いになってしまう恐れがあります。とりわけアフィリエイト報酬や商品販売など、多様な収益源があるアメブロでは、日々の収支を整理して正しい所得額を把握しておかないと、いざ確定申告の時期が来た際に書類作成がスムーズに進まない可能性も高いです。
そこで重要になるのが「収入(売上)額」と「必要経費」をきちんと区別し、1年間を通じて記録を残すことです。アメブロでの収益化と一口にいっても、アフィリエイトやASP経由の報酬、AmebaPickでの紹介料、あるいは物販(ハンドメイド作品など)をブログ上で紹介して得られる売上など、複数のパターンが考えられます。
これらをすべて「どのASPから何円入金されたか」「いつ、どんな商品が売れたか」などを日ごと、月ごとにメモしておくことで、年間の収入を合計しやすくなります。加えて、通信費や画像購入費などの経費も適切に仕訳しておくことで、実質の所得を正しく割り出せるでしょう。
この「正しく計算する」ステップを怠ると、本来経費になるはずの項目を見落としたり、逆に経費として認められない支出を混ぜ込んでしまったりして、最終的に税務署とのトラブルに発展するリスクが高まります。
経費計上できるかどうかの判定基準には、「アメブロの収益を得るうえで必要不可欠な支出」であるかどうかが重視されるため、いつ何のために使ったお金なのかを明確にしておくことが大切です。たとえば、単に書籍を買っただけではなく「ブログ記事を書くための参考資料として購入した」「執筆テーマに関連した知識習得のために買った」などの説明ができれば、経費として認められる可能性が高まります。
まとめると、アメブロ収益の正しい所得額を出すには、以下のポイントを意識する必要があります。
- 収入額(アフィリエイト報酬・商品売上など)の正確な記録
- 必要経費(通信費・資料代・画像購入費など)の整理
- 収入と経費を差し引いた金額=所得額を年単位で計算
- 経費判断の基準=「ブログ収益を得るために必要な支出」
最終的に、所得額(収入−経費)が20万円以上(給与所得者)または38万円以上(給与所得者以外)になれば確定申告が必要、という流れになります。
しかし、これだけでは不十分な場合もあるため、次の見出しで「収入額と経費の算出手順」「経費になるもの・ならないもの」について、より具体的な例とともに解説していきます。
収入額と経費の算出手順
収入額と経費を正しく仕分けするうえで大切なのは、毎日の記録を怠らないことです。特に、アメブロを用いて複数のASPから報酬を得たり、オンラインストアで商品販売を行っているケースでは、入金元や日付がバラバラになることが多いため、後からまとめて確認しようとすると苦労します。
そこでおすすめなのが、以下のようなフローに沿って日々の入金情報や支出をメモしておく方法です。
- 収益の把握:AmebaPickの管理画面で発生報酬や売上金を確認し、エクセルや手帳に記入する。
- 入金日ベースでの整理:発生報酬と実際の入金日はずれる場合があるので、確定申告の際は入金日を基準にすることが多い。必要に応じて「発生報酬リスト」「入金リスト」を二重管理する。
- 経費のレシート・領収書保管:ブログ運営に関連する支出が発生したら、すぐにレシートや領収書をデータ化(写真を撮る、クラウド管理する)し、その場でカテゴリ別フォルダに分ける。
- 月ごとの合計を出す:1か月ごとに「収益合計」と「経費合計」を計算し、差し引き額=「月間所得」として把握する。年末に合算して年度所得を算出すれば確定申告用のベースが完成。
こうしたフローを習慣化すれば、「申告期限直前になって何がいくら入ってきたのかサッパリ分からない……」という事態を避けられます。
特に、アメブロの収益は数百円から数万円単位でコツコツ増えていくケースが多いため、いざ年度末になって集計しようとすると忘れていた報酬や紛失したレシートが出てきかねません。月単位、あるいは週単位でもよいので定期的に収支を締め、スプレッドシートや家計簿アプリなどを使って管理すると便利です。
- AmebaPickの管理画面で報酬を確認、入金日を記録
- ECサイトなど複数の売上がある場合は、売上台帳を作成して月次で集計
- ブログに関連する支出のレシート・領収書は必ず保管or撮影
- 「発生額」と「入金額」の違いを意識して管理
最終的には、収益の合計と経費の合計を年単位で集計し、その差額が「アメブロでの年間所得額」となります。給与所得者の場合はこの所得額が20万円を超えるか、給与所得者以外の場合は38万円を超えるかで確定申告の要否を判断します。
また、フリーランスなど他の収入と合算しなければならない場合もあるため、メインの事業所得や雑所得の有無にも注意が必要です。こうした集計作業を確実に行うためにも、「月次で締める習慣」「必要書類の整頓」「家計簿アプリや表計算ソフトの活用」が重要なポイントです。
経費になるもの・ならないもの
アメブロの収益を計算する際に大きなカギとなるのが「必要経費をどれだけ正しく計上できるか」という点です。
収入額だけを重視してしまうと「こんなに稼いでしまったから確定申告が必要かも……」と早とちりする場合がありますが、実際にはブログ運営に関わる支出が多いなら、経費として控除できる額が大きくなり、所得が大きく減るケースもあります。逆に、経費として計上できない支出まで含めてしまうと、後に税務署から指摘され、修正申告や追徴課税が発生する恐れもあるため注意が必要です。
では、どのような支出が経費として認められるのでしょうか。基本的には「アメブロで稼ぐために必要不可欠なもの」が該当します。たとえば、以下のような項目は経費となる可能性が高いです。
- インターネット通信費:月々の固定回線・スマホ通信費の一部(ブログ運営に使う割合を按分)
- パソコン・スマホの購入費:ブログ作成に専用で使う端末や周辺機器(使用割合を考慮)
- 写真素材・デザイン費:ブログのヘッダー画像作成、イラスト依頼など
- セミナー参加費・書籍代:ブログ運営やスキルアップに直結する勉強会や資料
- 取材費・交通費:記事を書くための現地取材や移動費用
- 「アメブロに関連する業務・活動上、必要な出費かどうか」が重要
- プライベート利用と兼用の場合は、事業利用割合(按分)を計算
- 領収書・レシートの保管と支出目的を明確化
一方で、個人的な娯楽費や家族での食事代など、ブログ運営と直接関連性が薄い支出は経費として認められません。グレーゾーンとなりやすいのが「自宅家賃の一部」「光熱費の按分」などですが、これらも自宅の一角を完全に作業スペースとして使っている実態があれば、一部を経費に計上する余地はあります。
ただし、税務調査で根拠を示せるように「どれだけのスペースをブログ作業に使っているのか」「どれくらいの時間を費やしているのか」などを証明する必要があるでしょう。
- 純粋なプライベート旅行費(ブログ記事にしない、または記事に全く関係ない内容)
- 交際費の範疇が大きい飲食代(業務に必要な打ち合わせなら別)
- 家族の趣味・娯楽用の出費
結局のところ、「ブログ運営のために必要な支出」であることが明確に説明できれば経費として計上できる可能性が高く、そうでなければ却下されるか追及を受ける可能性があると考えてください。
領収書やレシートには「どんな目的で購入したのか」「どんなイベントや取材を行ったのか」などのメモを残しておけば、後から見返したときに判断しやすいです。そうした下準備をしておくことで、確定申告の際に慌てずに済み、正確な所得額を算出できるようになるでしょう。
例外的に確定申告が必要な事例

アメブロでの収益が少額の場合、一般的には給与所得者で20万円以下、給与所得者以外(フリーランスなど)で38万円以下(または48万円以下)の所得なら確定申告が不要とされています。しかし、実際にはこの基準だけではなく、「他の要因」で確定申告が求められるケースも存在します。
たとえアメブロの所得が少なくても、医療費控除を受ける、住宅ローン控除を申請するなどの事情で確定申告を行う際には、ブログ収入を申告する義務が発生する可能性があるのです。これは、税務署が「総合課税」を前提としているためであり、「本業」で納税が完了していても、副業などの収入を申告しないと過少申告として扱われることがあります。
また、フリーランスや個人事業主として活動している人が、アメブロを使って収入を得ている場合にも特例が存在します。たとえば、別の事業で申告義務があるにもかかわらず、アメブロでの所得を合算しなかったりすると、不足分が追徴課税の対象となるおそれがあります。
こうした「例外的に確定申告が必要になるケース」を知っておくことで、後になって慌てることなく、余裕を持った対応が可能になるでしょう。次の見出しでは、給与所得者とフリーランス・個人事業主それぞれの具体的な注意点を詳しく解説していきます。
- 医療費控除や住宅ローン控除、寄附金控除などで確定申告をする
- フリーランスで別事業の申告義務があり、アメブロ収益も合算される
- 雑所得として扱われる副業収入全体が基準額を超える
給与所得者の例外ケース
会社員やアルバイトなど、給与所得がある人の場合、本来なら年末調整によって税金が精算されます。副業でアメブロを運営していても、年間所得が20万円以下であれば追加の申告が不要となるのが一般的です。
しかし、医療費控除や住宅ローン控除、ふるさと納税による寄附金控除などを受けるために確定申告をする際、副業(アメブロ)で得た所得が20万円以下であっても、合わせて申告する義務が生じる点に注意が必要です。
- 医療費控除:年間医療費が一定額以上になると適用されるが、確定申告が必須
- 住宅ローン控除:初年度や借り換えの際など、多くの場合で申告が必要
- 寄附金控除(ふるさと納税):上限額を超えた寄附やワンストップ特例が使えない場合
- 確定申告書には所得全体を記入する義務がある
- 年末調整では副業収入が把握されていないため、追加計上が必要
こうした医療費控除や住宅ローン控除を利用する場合、給与所得者であっても確定申告書を提出しなければならず、その際にアメブロの副業所得(たとえ20万円以下でも)を記載しなければなりません。
もし記載をせずにいると、後から税務署の調査で副業収入が発覚し、加算税や延滞税が課せられるリスクが高まります。実際に、給与所得者が控除を受けようとして確定申告を行った際、副業収入を除外していたために「過少申告」と見なされたケースも存在するため、慎重な対応が求められます。
フリーランス・個人事業主の注意点
フリーランスや個人事業主(以下、「事業所得者」と呼ぶ)にとって、アメブロで得た収益は「雑所得」や「事業所得」に分類されることが多いです。
たとえば、デザイン業やライター業を行っている人が、アメブロを事業の一部として扱っているのであれば、アメブロの収入はそのまま事業所得に合算される可能性があります。一方、全く別の活動としてアメブロ運営をしている場合は、雑所得扱いとなるかもしれません。
- 事業所得:メイン事業の一環として収入を得ている
- 雑所得:お小遣い稼ぎ程度の副業やメイン事業とは無関係な収入
いずれにせよ、事業所得者が1年間の総所得合計を確定申告する際、アメブロの収益も合算して税額を計算しなければなりません。
仮にアメブロで年間10万円の所得があるだけだとしても、他の事業所得がすでに基準額を超えていれば、自動的に確定申告が必要となります。つまり、アメブロ単体では基準以下の所得でも、「メイン事業の収益+アメブロ収益」の合計で確定申告義務が生じる点に注意が必要です。
- メイン事業(デザイン業)で年間30万円の所得
- アメブロの副業で年間10万円の所得
- 合計40万円 → 基礎控除を超えるため申告対象
また、フリーランスは青色申告や白色申告など、申告方式を選択できるため、アメブロ収益を含めてどのように申告すべきかを早めに判断することが重要です。青色申告により特別控除や経費の幅が広がる場合もあれば、白色申告でシンプルに計算したほうが楽なケースもあります。
ただし、どちらの場合も「アメブロ収益を漏れなく合算する」という原則は変わらないため、曖昧な管理は禁物です。特に、雑所得扱いの場合は領収書の保管や経費の按分が疎かになりがちなので、メイン事業と同等のレベルでしっかりデータを管理しておくと後々の手続きがスムーズになります。
まとめると、事業所得者は既に所得が基準額を超えやすい立場にあるため、アメブロの副収入がいくらであっても必ず合算し、正しい金額で申告しなければなりません。
「ブログの収益は小さいから無視してもいいだろう」と判断すると、メイン事業の申告内容との整合性が取れなくなり、税務調査で指摘されるリスクを高めてしまいます。よって、フリーランスや個人事業主がアメブロで稼ぐ場合、例外的に申告義務が発生するケースが多々あることを理解し、早めに収支を管理する習慣を身につけましょう。
アメブロの確定申告で押さえておきたいポイント

アメブロで収益が出るようになったら、確定申告の準備を怠らないことが大切です。特に、ブログ収入が増えてくると、いざ申告の段階で「どの書類が必要か分からない」「経費処理をどうすれば良いか難しい」という状況に陥りやすくなります。
確定申告をスムーズに行うためには、日頃から書類の保管や収支データの整理を意識し、何があっても証拠を提示できる体制を整えておくことが重要です。実際、数百円から始まったアメブロの収益が一気に月数万円レベルに拡大すると、予想外の額が年間所得として計上されるケースがあるため、経費と収入を正しく仕分けできるかどうかが税額に大きく影響します。
ブログ運営に伴う費用は、通信費やサーバー代、資料・セミナー費用など多岐にわたるため、それらが本当にブログ収益に関連する支出なのかを示す証拠が必要です。たとえば、インターネット通信費の全額を経費とすると、不自然に思われる可能性があるため、ブログ以外にもプライベート用途が混在している場合は按分(あんぶん)計算が必須となります。
按分計算をする際にも、合理的な根拠(1日のうち何時間をブログ作業に割いているか、家族との共用割合はどれくらいか)を示せるようにメモや使用実績を残しておくと、万一の税務調査にも対応しやすいです。さらに、AmebaPickやASPで得た報酬明細、銀行口座への振込記録なども別途まとめておくと、自分の月ごとの収益推移が一目で分かり、申告時に混乱しなくて済みます。
また、確定申告書類を提出する前に「本業(給与所得)があるか」「個人事業主として他の収入もあるか」など、自分の立場によって必要書類が変わる点も押さえておきましょう。給与所得者なら源泉徴収票、個人事業主なら開業届や収支内訳書、青色申告決算書が必要な場合もあります。
こうした基本的な書類との整合性が取れていないと、後から追及を受けるリスクが高まるので気をつけたいところです。次の見出しでは、具体的な「書類の準備と保存のコツ」「トラブル回避のためのアドバイス」をそれぞれ詳しく解説していきます。
- ブログ関連の収支管理を日常的に行い、年間所得を正確に算出
- 給与所得がある人でも20万円基準+医療費控除等で申告義務が生じる場合あり
- フリーランスや個人事業主はメイン事業と合算して申告するため収支の整理が必須
- 経費の按分計算や根拠を示せるように領収書・レシートの管理を徹底
書類の準備と保存のコツ
確定申告をスムーズに進めるためには、必要書類の準備と正しい保管方法を知っておくことが欠かせません。特に、アメブロを活用して副業収入を得ている場合や他のASPで副収入を得ている場合、報酬明細や広告収入の振込記録、通信費や資料購入費の領収書などが多岐にわたるため、整理ができていないと申告時に混乱してしまいます。ここでは、書類の準備と保管のコツをポイント別に解説します。
- 1. ASP報酬明細の管理
アメブロ以外でアフィリエイト報酬を得ている場合、A8.netやもしもアフィリエイト、バリューコマースなどから「振込明細」や「報酬発生明細」をダウンロードできる機能があります。これらを毎月1回はチェックしてPDF保存、またはスクリーンショットを取り、エクセルシートと連動して管理しておくと良いでしょう。後から年単位でまとめて見るより、月ごとに小分けにしてファイルを保管するほうがミスや漏れを防ぎやすくなります。 - 2. 振込記録と銀行明細
実際に報酬が振り込まれた際には、銀行の通帳やネットバンキングの明細にも記録が残ります。ここでASPのレポート金額との突合(つきあわせ)を行い、「報酬発生額−手数料=振込額」の整合性を取ることが大切です。月次でこれを確認しておけば、振込手数料の扱いを経費や差し引き計算に反映しやすくなります。 - 3. 経費の領収書・レシート保管
通信費や資料代などを経費に計上する場合、必ずレシートや領収書を保管しておきましょう。紙ベースの領収書の場合、日付順にファイリングする、またはスマホで撮影してデータ化しておく方法があります。自宅の一角をオフィスとして按分計算する場合は、家賃や光熱費の領収書も一緒に取りまとめておくと後から計上しやすいでしょう。 - 4. クラウドサービスやアプリの活用
近年はクラウド会計ソフトや家計簿アプリを利用して、自動的に銀行明細やクレジットカード明細を取り込むことができます。例えば「freee」や「マネーフォワード クラウド」などのサービスは、事業用・副業用の収支管理を効率化する機能が豊富です。連携設定をすれば、自動仕訳がある程度進むため、手作業での入力ミスや漏れを大幅に減らせます。
- 紙ベースの領収書は5年~7年程度(書類によって異なる)保存が原則
- デジタルデータ保存の場合でも、消失リスクに備えてバックアップを取る
- 経費として認められるか不明な支出はメモを添えておき、後で確認
こうした準備を怠らずに行っておくと、確定申告の際に慌てることが減り、正しい所得額をスムーズに算出できます。
また、税務署から問い合わせを受けた場合でも、しっかりと書類を提示できれば問題なく説明できるでしょう。特に、オリジナルで作成した収支管理シートやクラウド会計ソフトのレポートは「一年間、このように管理していました」という説明材料になるため、税務調査にも強いです。
トラブル回避のためのアドバイス
アメブロで稼いだ副収入が増えてくると、「会社にバレたくない」「税務署に目をつけられないか不安」といった心配を抱える人も少なくありません。
しかし、いかに隠そうとしても、住民税の計算や振込記録などから副業収入が把握される場合があるため、無申告や過少申告のリスクを負うより、正直に申告したほうが結果的に安全です。ここでは、トラブルを避けるための実践的なアドバイスを紹介します。
- 無申告は厳禁:所得基準を超えているのに申告しないと、追徴課税や加算税が発生する恐れがある
- 住民税の納付方法を選択:会社に副業を知られたくない場合、「普通徴収」を選ぶと自分で納付可能(ただし無申告はNG)
- 収入の裏付けを整える:ASP報酬・販売記録などのエビデンスを常に用意し、不明瞭な入金がないようにする
- 早めの相談:不安があれば税理士や市町村の無料相談窓口を活用し、正しい知識を得る
- 銀行口座の入出金履歴(振込元がASPやECサイトなどの場合は特に注目)
- クレジットカード明細(経費と私的支出の区別が曖昧だと指摘される)
- 報酬明細書との金額不一致
さらに、所得区分(雑所得か事業所得か)で迷う場面もあるでしょう。ブログを本格的に事業として運営している場合は、開業届を提出して「事業所得扱い」とすれば経費を広く認められる可能性が高くなる反面、帳簿作成や青色申告などで手間が増えるデメリットもあります。
一方、あくまで副業レベルで雑所得として申告するなら手続きは簡単ですが、経費計上に制限があるかもしれません。自分がどの段階までブログ収益を伸ばしたいのか、どれくらい税務対策に時間を割けるのかを考慮し、最適な申告方法を選んでください。
このように、アメブロで稼ぐ際の確定申告は、あらかじめ正しい知識を身につけ、書類や収支管理を怠らないことでスムーズに行えます。
焦って無理に隠そうとせず、少しずつ記録を蓄積していけば、仮に税務署から問い合わせがあっても落ち着いて対応できるでしょう。確定申告は「一度やってみれば思ったより難しくない」と感じる人も多いため、始めから大きな恐怖心を持たずに、着実にステップを踏んでいくことが大切です。
まとめ
アメブロで収益を得ている人にとって、確定申告の有無は年収や職業形態によって変わります。20万円や38万円といった基準額を正しく理解し、所得額を正確に計算しておくことが大切です。給与所得者の場合やフリーランスの場合、あるいは医療費控除など別の要因で申告が必要になるケースもあるため、早めに自身の状況を整理しましょう。
書類を揃え、経費をきちんと計上することで、余計な税負担やトラブルを回避できます。正しい知識と手順を踏めば、安心してブログ収益を伸ばしながら、今後のビジネス展開にも役立てることができます。