アメブロでもGA4を使えば「どの記事が何秒読まれ、どこから来たか」を無料で可視化できます。本記事ではプロパティ作成から測定ID貼り付け、内部トラフィック除外までを画像なしでわかりやすく解説。
リアルタイムでタグ動作を確認するチェックリストも用意したので、初めての方でも15分で計測を開始し、集客改善に直結するデータを明日から活用できます。
目次
GA4導入前に押さえる基礎と測定ID取得

Google アナリティクスの最新版であるGA4(Google Analytics 4)は、従来のUA(ユニバーサル アナリティクス)と計測仕様が大きく異なるため、まずは「プロパティ=計測箱」「データストリーム=計測入口」「測定ID=タグ」といった基本用語を整理しておきましょう。
GA4 ではページビューに加え、90%スクロール・外部リンククリック・ファイル ダウンロードなどを[強化計測]で自動取得できます。動画再生イベント(video_start/video_progress/video_complete)が自動で取れるのは「YouTube 埋め込みかつ JavaScript API 有効」の場合のみで、それ以外の動画は追加設定が必要です。
また、2024年にUAのデータ提供が終了したため、新規・既存どちらのブログでもGA4移行は必須です。導入手順は、GoogleアカウントでGA4プロパティを作成し、ブログURLを登録したデータストリームを新規作成、発行された測定ID(G-から始まるコード)をアメブロに貼り付ける──この3ステップで完了します。
測定IDはデータストリーム作成直後に画面右上に表示され、コピーアイコンをクリックすると自動でクリップボードに保存されます。コピー後はメモ帳などに一旦貼り付けておくと、アメブロ側で入力ミスを防げます。
- Googleアカウントに管理者権限があるか確認
- 既存UAプロパティとは別にGA4を新規作成
- ブログURLがhttps://で始まっているか確認
プロパティ・データストリームを新規作成する
GA4のプロパティ作成はGoogle Analyticsのホーム画面左下「管理」→「アカウント」→「プロパティを作成」から開始します。プロパティ名には「ameblo-ブログ名」のようにサイトとメディアを含めると複数管理でも迷いません。
タイムゾーンは必ず「日本」を選択し、通貨は「JPY(日本円)」にしておきましょう。次に表示される「ビジネス情報」は解析精度とは直接関係しないため任意で構いません。
プロパティができたら、続けて「データストリームを追加」ボタンをクリックし、「ウェブ」を選択。サイトURLに自分のブログURL(https://ameblo.jp/xxx/)を入力し、ストリーム名を「Ameblo-Web」と付けます。
【データストリーム作成時のポイント】
- 強化計測(ページビュー・スクロールなど)はONのまま
- サイトURLをコピペすると末尾スラッシュ不足に注意
- 測定ID(G-XXXXXXX)はこの画面で必ずコピー
入力項目 | おすすめ設定例 | 理由 |
---|---|---|
プロパティ名 | ameblo-ハンドルネーム | 複数サイト管理時に識別しやすい |
タイムゾーン | 日本 | アクセス時間帯が正確に表示される |
ストリーム名 | Ameblo-Web | 媒体を明示して後から探しやすい |
- URLをhttp://で登録し常時SSLと不一致
- ストリームを複数作成して測定IDを取り違える
- 強化計測をオフにしてスクロール率が取れなくなる
測定IDをコピーしデバッグビューで動作確認
測定ID(G-から始まる英数字)はGA4タグの“鍵”です。コピーしたらアメブロに設定する前に、ブラウザでリアルタイム計測が反応するかをデバッグビューで確認しておくと安心です。方法は簡単で、データストリーム画面右上の〈デバッグビュー〉をクリックし、新しいタブで自ブログを開くだけ。
DebugView にイベントを流すには、Chrome 拡張「Google Analytics Debugger」をオンにするか、計測ページの URL 末尾へ ?debug_mode=true を付けて読み込む必要があります。設定が通れば、ページビューイベントが数秒以内にタイムラインへ表示されます。
もしイベントが表示されない場合は、Chrome拡張「GA Debugger」をオンにするか、URL末尾に「?gtm_debug=x」を付けてリロードすると強制的にデバッグモードになります。
動作確認を済ませたら、次章で解説する“外部サービス連携”またはGTM経由でアメブロに測定IDを貼り付け、再度デバッグビューで数値が流れるかをチェックします。
【デバッグビュー確認手順】
- GA4管理画面→管理→デバッグビュー
- 別タブでブログトップを開き1回更新
- 左側タイムラインにpage_viewが出るか確認
- 出ない場合→ブラウザキャッシュ削除→再試行
- ブラウザがプライバシーモードでGTMやGAが無効化
- 広告ブロッカー拡張が解析タグを遮断
- 測定IDをテキストミス(Oと0、Iと1)で貼り付け
トラブル | 想定原因 | 対処法 |
---|---|---|
イベントが0件 | 測定ID間違い | IDを再コピーしペースト |
数分後に表示 | キャッシュ遅延 | Ctrl+F5で強制更新 |
特定ページだけ未計測 | 他社タグと競合 | スクリプト順を入れ替え |
デバッグでpage\_viewが確認できれば準備完了です。次のステップではアメブロ管理画面に測定IDを貼り付け、本番データを取得し始めましょう。
アメブロにGA4を設定する具体的手順(PC操作のみ)

アメブロは2023年に「外部サービス連携」メニューへGA4測定ID入力欄を追加したため、従来のフリープラグインにスクリプトを貼る方法よりも安全かつ簡単に導入できます。設定はPCブラウザ限定で、スマホアプリでは項目が表示されないため必ずPCで作業しましょう。
手順は〈ブログ管理〉→〈設定・管理〉→〈外部サービス連携〉の3クリックで到達でき、測定ID(G-XXXX)をコピペして保存するだけで完了します。
タグマネージャーを併用する場合は、フリープラグイン領域にGTMコンテナタグを貼り付け、GA4タグはGTM内で管理するとイベント追加がノーコードで行えて便利です。以下では「外部サービス連携にID直貼り」と「GTM経由」の2パターンを詳しく解説します。
外部サービス連携設定で測定IDを貼り付ける方法
PCでアメブロにログインしたら、ダッシュボード上部メニューから〈ブログ管理〉を選び、左側メニューの〈設定・管理〉をクリックします。画面中央に「外部サービス連携」というタブがあるので開くと、最上段に「Google アナリティクス(GA4)」欄が表示されます。
ここに測定IDをそのまま貼り付け[保存する]をクリックすると設定は完了です。保存直後にブログを開き、GA4デバッグビューでpage_viewイベントが発火すれば成功となります。
【操作フロー】
- ブログ管理→設定・管理→外部サービス連携をクリック
- 「Google アナリティクス(GA4)」欄に測定IDを貼り付け
- [保存する]を押して完了
項目 | 注意点 |
---|---|
測定ID | 頭の「G-」を含めてコピーし、余計な空白を入れない |
ブラウザ | 設定画面はPC版のみ。スマホアプリには項目がない |
保存ボタン | クリック後「保存しました」が表示されるまで待機 |
- わずか1分で導入完了、コード挿入ミスの心配がない
- アメブロ側で自動的にheadタグに挿入してくれる
- テンプレート変更やCSS編集を行ってもタグが消えない
- 詳細イベント計測を追加するには再編集が必要→GTM併用で解決
- 複数ブログを運営している場合、ID貼り間違いのリスク→プロパティ名をブログ名に統一して管理
Googleタグマネージャーを使ったタグ設置手順
タグマネージャー(GTM)を利用すると、GA4の追加イベントや広告計測タグを一元管理でき、アメブロ管理画面を触らずにタグ差し替えが可能になります。
まずGoogleタグマネージャーにログインし、アカウントとコンテナ(ウェブ)を新規作成。表示された 2 つのスニペットはどちらも必要です。<head> 用と <body> 開始直後用の順番どおりに、アメブロのフリープラグイン領域へ両方貼り付けてください。
アメブロの〈ブログ管理〉→〈デザインの設定〉→〈フリープラグインの追加〉に進み、HTML入力欄にheadタグ用スニペットをペーストし保存します。
【GTMでGA4タグを作成・公開】
- GTMダッシュボード→[新しいタグ]→タグタイプでGA4設定を選択
- 測定IDを入力し、トリガーは「すべてのページ」を指定
- 右上の[公開]をクリックしてバージョンを公開
作業箇所 | 具体手順 | ポイント |
---|---|---|
フリープラグイン | head用スニペットのみ貼付け | body用は不要。二重計測を防止 |
GTMタグ | GA4設定タグを作成 | 複数測定IDがある場合はIDごとにタグ作成 |
公開 | バージョン名に日時を入れて管理 | あとから差分確認しやすい |
- クリック測定やスクロール深度などをGUIで追加可能
- タグのON/OFFが管理画面だけで完了、テストがラク
- 複数広告タグ(Meta, TikTok)を一括で配信できる
- headスニペットをフリープラグインに複数重複させない
- 公開後は必ずGA4リアルタイムでデータ流入を確認
- 権限管理を誤ると他メンバーにタグを上書きされる恐れ
タグマネージャーを導入すれば、例えばCTAボタンのクリックや動画再生完了を“イベント”として数分で追加計測でき、アメブロの集客改善PDCAが加速します。
初期導入は少し手間でも、長期的には作業効率と計測精度が大幅に向上するため、アクセス解析に本気で取り組むならGTM併用を強くおすすめします。
データが反映されない・数値が違うときの確認ポイント

GA4タグを設置してもリアルタイムで数値が動かない、あるいは自分の体感PVと大きく乖離している場合は、ほぼ必ず「タグが発火していない」「計測対象外のページがある」「ブラウザ側で計測がブロックされている」のいずれかが原因です。
まずはリアルタイムレポートでイベントを確認し、発火していなければ測定IDの貼り間違い、GTM非公開、キャッシュなどを疑います。
発火しているのに数値が少ない場合は、アプリ閲覧やAMPページがカウントされていない、広告ブロッカーで一部ユーザーを取りこぼしているケースが多いため、対象ユーザーの閲覧環境を切り分けて検証しましょう。
本章では「リアルタイムでタグ動作を検証する方法」と「アプリPV非計測・キャッシュ・広告ブロックが引き起こす数値ズレの切り分け方」を詳しく解説します。
リアルタイムレポートでタグ動作を検証する
GA4のリアルタイムレポートはデータが集計される前の“生ログ”を最大30分間表示する機能で、タグが正しく発火しているかを即座に確認できます。
手順はGA4左メニュー〈レポート〉→〈リアルタイム〉を開き、別タブで自ブログをリロードするだけ。ページ左上のアクティブユーザーが「1」と表示され、右側のイベントタイムラインにpage_viewが流れれば基本計測は正常です。もし反応がない場合は下記フローで原因を切り分けます。
【チェックフロー】
- シークレットウィンドウでブログを開き再確認
- GTM使用の場合はタグをプレビューでテストし公開状態を確認
- ブラウザ拡張「Tag Assistant」を起動し測定IDが検出されるか確認
症状 | 想定原因 | 対処 |
---|---|---|
アクティブ0 | 測定ID未貼付 | 外部サービス連携を再確認 |
イベント表示なし | GTMが公開されていない | GTMでバージョンを公開 |
一部ページのみ未計測 | 除外フィルタ設定 | カスタム除外条件を確認 |
- 自分のアクセスが表示されなければタグ発火を最優先で疑う
- Active Usersが表示されてもイベントが流れなければGTM設定を確認
- 複数タブで同時に開くとセッション重複で判断を誤るので1タブで検証
アプリPV非計測・キャッシュ・広告ブロックの影響を切り分ける
リアルタイムで動いていても「思ったよりPVが少ない」場合は、ユーザーの閲覧環境が計測から漏れている可能性があります。代表例がスマホアプリ閲覧です。アメブロ公式アプリはWebView経由で計測タグを読み込まず、GA4ではページビューが取得されません。
PCブラウザでの計測値と比較して30〜40%落ち込む場合はアプリPVが抜けている可能性が高いです。もう一つはブラウザキャッシュの影響で、同一ユーザーが短時間に再訪した場合にヒットが送信されないケース、最後に広告ブロッカーでGAタグが遮断されるケースがあります。
【切り分け手順】
- 【アプリ対策】→リアルタイムで自分のスマホアプリ閲覧を確認し計測有無を検証
- 【キャッシュ対策】→GA4探索レポートでヒット間隔を可視化し異常がないかチェック
- 【広告ブロック対策】→Tag Assistantでステータスが「blocked」でないか確認
影響要因 | PVズレの特徴 | 対処策 |
---|---|---|
アプリPV非計測 | モバイル比率が異常に低い | アプリ内リンクをWebにリダイレクトする設定を検討 |
ブラウザキャッシュ | PV変化が急角度で落ちる | no-storeヘッダ設定は不可のため指標解釈で補正 |
広告ブロッカー | 特定地域・ブラウザでPVが低い | サーバー側イベント計測(Measurement Protocol)導入 |
- アプリPVを加味した参考値(例:PV×1.4)を持つ
- キャッシュ・ブロックで5〜15%のロスは許容範囲と捉える
- 重要指標はPVよりエンゲージメント率やCV数で判断する
これらの方法でタグ発火と環境要因の両方を点検すれば、GA4の数値ズレはほぼ解決できます。データに基づく判断を誤らないよう、定期的なリアルタイムチェックと環境切り分けを習慣化しましょう。
GA4レポートを集客改善に活かす分析術

GA4がアメブロ運営にもたらす最大のメリットは、「数字→課題→施策」を最短距離で結び付けられる点です。従来のUAではページビューや直帰率が中心でしたが、GA4では〈ユーザー獲得〉〈エンゲージメント〉〈イベント〉を軸に、流入チャネル別の読了率やCTAクリック率まで標準で把握できます。
まず毎日チェックしたいのは「レポートスナップショット」。ここには前日比で伸びたチャネルや急落した記事がカード形式で表示されるため、伸びているテーマに追随記事を投入し、落ち込みが発生した記事はタイトルや内部リンクを即リライトするといった打ち手が打てます。
さらに「エンゲージメント→ページとスクリーン」で記事別平均エンゲージメント時間を確認し、30秒未満のページには冒頭に動画や箇条書きを追加して離脱を防ぐといった具体策が導き出せます。
本章では、GA4が提供する主要レポートを「集客に直結する改善ループ」に落とし込む手順と、自己アクセスを除外してデータの純度を上げるフィルタリング方法を解説します。
- レポートで数値異常を早期発見
- 原因を仮説立てしCTA・見出しを修正
- 翌日の数値を再確認し効果を検証
流入チャネルと記事別PVから改善課題を特定する
集客施策の優先順位を決めるには、まず〈流入チャネル〉と〈記事別パフォーマンス〉をクロスで把握することが重要です。GA4では「ユーザー獲得→トラフィックチャネル」レポートでOrganic Search、Direct、Social、Referralの比率を確認できます。
例えばOrganicが30%、Socialが50%となっていれば、SNS経由の依存度が高いため検索流入強化が課題になります。
一方、記事別分析は「エンゲージメント→ページとスクリーン」を開き、PV、エンゲージメント率、平均エンゲージメント時間を指標として並べ替えます。
PVは高いがエンゲージメント率が低い記事は“タイトル釣り”状態なので本文冒頭をリライト、逆にPVは低いがエンゲージメント率が高い記事はSNS再シェアや関連記事リンク挿入で拡散すると効果的です。
【分析フローとアクション例】
ステップ | GA4操作 | 改善アクション |
---|---|---|
流入比率確認 | トラフィックチャネルで割合を見る | 低いチャネル用にCTAやSNS投稿を強化 |
記事パフォーマンス | ページとスクリーンでPV順に並べ替え | 上位10本の冒頭にLead文・動画を追加 |
時間帯分析 | 探索→パス探索で時間帯別PV確認 | ピーク1時間前に予約投稿を設定 |
- PVのみで判断し滞在時間の短い記事を放置
- チャネル全体の伸びに気を取られ記事別の差を分析しない
- 分析結果をメモせず施策と効果を紐付けられない
内部トラフィック除外で正確な指標を取得する
自分のアクセスやスタッフの確認閲覧がPVに含まれると、実際よりも数値が膨らみ施策の効果を見誤ります。GA4ではIPアドレスやデバッグモードを条件に“内部トラフィック”を定義し、除外フィルタで集計から外すことが可能です。
設定は「管理」→「データストリーム」→「タグ設定」→「内部トラフィックの定義」から行い、自宅IPや事務所IPを「traffic_type=internal」で登録します。
その後、「データフィルタ」メニューで状態を「有効」に切り替えると、以降のレポートから内部PVが除外されクリーンなデータが取得できます。
さらに、ブログ確認時にGA4デバッグエクステンションを利用している場合、デバッグモードのPVは自動で除外されるため安心です。
【内部トラフィック除外手順】
- 管理→データストリーム→タグ設定→内部トラフィック定義
- +作成→IPアドレス(CIDR形式)を入力、traffic_typeに「internal」と命名
- 管理→データフィルタ→internalフィルタを「有効」に設定
項目 | 入力例 | 注意点 |
---|---|---|
IPアドレス | 123.45.67.89/32 | 固定IPがない場合はVPNを利用して固定化 |
traffic_type | internal | 名称は小文字推奨、英数字のみ |
フィルタ状態 | 有効 | テスト環境で1日確認後に本番適用 |
- PV・エンゲージメント時間が正確になり施策効果を測定しやすい
- テスト投稿やプレビュー作業が数値に影響しない
- チーム運営でもメンバー全員の閲覧をまとめて除外できる
- IP変更後は設定を更新しないと再びカウントされる
- モバイル回線はIPが変動しやすく除外しきれない場合がある
- フィルタを有効にすると過去データは遡って除外されない
内部トラフィックを除外し、正確なチャネル別データと記事別パフォーマンスを把握すれば、改善施策の効果をブレなく測定できます。
数字を“見るだけ”で終わらせず、今日のレポートから次の施策を決め、翌日の数字で検証するサイクルを習慣化しましょう。
まとめ
GA4は測定IDを取得し、アメブロの「外部サービス連携」にコピペするだけで基本計測が完了します。動作確認はデバッグビュー、数値のズレはアプリPV非計測やキャッシュを確認。
内部トラフィック除外とイベント設定まで行えば、正確な指標で記事改善とコンバージョン最適化が可能です。計測を“入れて満足”で終わらせず、毎日のレポート確認を習慣化して集客を着実に伸ばしましょう。