イベントで集客を強化したい方へ。目的別に〈体験・参加型/ゲーム・回遊・抽選型/SNS・UGC・コラボ型/セミナー・展示・ポップアップ型/ローカル・ファン・リピート施策型〉の12タイプを整理します。
ねらい→準備→当日の運営→効果測定まで、すぐ使える活用例でやさしく解説。自社の目的に合う企画を迷わず選べます。
体験・参加型のアイディア設計

体験・参加型は、来場者が自ら手を動かし、サービスや商品価値を「理解」から「納得」へ進める設計です。
ワークショップ、実演デモ、サンプリング、試食試飲、無料トライアルなどは、参加の敷居を下げつつ、次の行動(予約・資料請求・購入)へ自然に導けます。
重要なのは、事前告知→当日の体験→アフターフォローまで一連の導線を一本化することです。例えばワークショップなら、受付でQRを配布→体験中に“価値の差”を実感→終了時にクーポンや事例へ誘導、といった流れを用意します。
体験時間は短く区切り、成果物(持ち帰り資料・試供品・チェックリスト)を必ず残すと、保存や再訪につながります。
安全や衛生、混雑時の動線も成否を左右します。入口・体験・出口を別にし、迷いが出ない案内表記とスタッフ配置を整えましょう。
【設計の基本】
- 目的とKPIの明確化→例:予約数・資料請求率・再訪率
- 「参加ハードルの低さ」+「持ち帰り価値」の両立
- 体験直後のCTAを明示→QR/クーポン/予約フォームへ
- 一つの体験につき伝えるメッセージは一つに絞る
- 所要時間は短尺(5〜15分)→回転数と満足度を両立
- 体験→証拠→申込の順で同じ言い回しを繰り返す
ワークショップ・体験会の企画設計
ワークショップは、参加者が「自分ごと化」しやすい定番施策です。ねらいは〈価値の理解〉と〈比較検討の後押し〉です。
企画時は、対象・到達目標・持ち帰り物(成果物やチェックリスト)を先に決め、短い導入→手を動かす時間→振り返り→次の行動の流れで構成します。
初学者向けは難度を上げすぎず、失敗しにくい工程に分解します。席数は少なめからテストし、回転を重視すると満足度が下がりにくいです。
終了直後のCTA(予約・見積・体験延長)をその場で案内し、後追いのメールやDMで追加資料を届けると離脱を防げます。
パート | 狙い・内容 | 運営のコツ |
---|---|---|
導入 | 期待づくりと全体像共有 | 所要時間とゴールを明示→不安を軽減 |
体験 | 価値の実感と成功体験 | 工程を3〜4段階に分割→つまずき箇所にスタッフ配置 |
振り返り | 学びの言語化と応用例共有 | チェックリスト配布→保存・再訪の動機に |
CTA | 次の一歩へ誘導 | QRで予約/資料請求→その場で入力できる席を用意 |
【具体例】
- EC:商品撮影ワークショップ→その場で撮影→編集プリセット配布→購入特典へ
- B2B:ミニ業務改善体験→簡易診断→個別相談の時間枠を提示
- 説明が長い→体験時間が短く満足度低下
- 成果物が残らない→記憶に残らずCVにつながりにくい
実演デモ・サンプリングの活用法
実演デモは、短時間で「違い」が伝わる形式です。立ち止まりやすい導線を作り、90秒程度の台本(結論→実演→証拠→CTA)を用意します。
サンプリングは、製品理解の入口づくりとして有効です。配布だけで終わらせず、体験直後に「比較ポイント」と「次の一歩」を示します。
掲示物は大きく、価格や特長は三つに絞ると視認性が上がります。スタッフは呼び込み役と説明役に分け、混雑時は説明を動画で補完するとスムーズです。
配置・導線 | 考え方と実装例 |
---|---|
呼び込み | 入口と通路の角に設置→一言キャッチ「触ってわかる◯◯」を掲示 |
実演台 | 手元が見える高さ→上からのミラー/モニターで可視化 |
受け皿 | 体験直後にQRとクーポン→その場で申込/予約ができるタブレット |
【台本づくりのコツ】
- 冒頭で結論→「従来より◯◯が早い/簡単」
- 比較の物差しを提示→「ここを見てください」
- CTAは一つ→「予約はここ→」と指差しで案内
試食試飲・トライアル導入の設計
試食試飲は、味や香りなど感覚価値を短時間で伝えられます。量は一口分にし、味の違い(甘さ・食感・後味)を言語化したミニポップを用意します。
アレルギー表示や保存方法、開封後の目安はわかりやすく掲示します。SaaSやサービスの無料トライアルでは、開始直後の“つまづき地点”を減らすオンボーディング(初回チェックリスト・テンプレ設定)を用意し、到達すべき初回価値(例:初回レポート出力)までの道筋を明確にします。体験直後にアンケートで好みや用途を聞き、パーソナライズした提案へつなげるとCVが安定します。
場面 | 目的 | 実装例 |
---|---|---|
試食試飲 | 味の理解と比較の促進 | 味覚チャート配布→好みに合う商品タグへ案内 |
トライアル | 初回価値の体験 | 初回タスクを3手順に分割→達成でクーポン付与 |
フォロー | 再訪・購入の後押し | その場でメルマガ/LINE登録→限定レシピ/活用例を配信 |
- 体験は短く濃く→比較ポイントを一つに絞る
- 好みや用途の簡易診断→おすすめを即提示
- クーポンや特典は体験直後に案内→行動の後押し
【注意点】
- 食品はアレルギーと衛生表示を明確に→保管温度も記載
- トライアルは解約方法や期間を明記→不安の先回りで信頼向上
ゲーム・回遊・抽選型の仕掛け

ゲーム・回遊・抽選型の施策は「会場内を動いてもらう理由」を作り、体験時間の延長と接点の増加を同時に実現します。
スタンプラリーや謎解きは、複数ポイントを回ってもらう導線を自然に形成し、各地点で商品理解や試用、スタッフ接点を生み出します。抽選は参加のハードルを下げ、最後の目的地まで誘導するフィナーレ役です。
重要なのは、動線がシンプルであること、クリア条件が明確であること、そして“次の一歩(予約・購入・資料請求)”へ滑らかに接続することです。
紙・QR・アプリなど運営方式は会場規模と人員で選び、混雑や待ち列が発生しないよう、チェックポイントの間隔と役割分担を設計します。景品・特典は「数と引換条件」を先に決め、在庫切れ時の代替や告知方法を準備しておくと信頼を損ねません。
【狙いと効果の整理】
- 会場内回遊を促進→接点増加と滞在時間の延長
- 理解と比較を段階化→各ポイントで一つの価値を提示
- 最後に抽選・特典→主CTAへ誘導して行動を後押し
- マップは1枚で完結→現在地→次の地点→ゴールを一目で把握
- 条件は短く明快→「写真を撮る」「QRで回答」など具体化
- ゴールで主CTAを再提示→予約/申込の入力台を用意
デジタル含むスタンプラリー設計
スタンプラリーは「行って・見て・触る」を自然に促す導線装置です。紙台紙は直感的で導入が容易、QRやWebフォームは集計と不正防止に強みがあります。
チェックポイントは3〜6箇所に絞り、各地点で“理解してほしい価値”を一つだけ提示します。
ゴールでは達成確認→抽選または特典配布→主CTA(予約・クーポン保存・フォロー/登録)をセットにします。スタッフ人数が限られる場合はQR自動記録方式を選び、行列の発生を防ぎます。
方式 | メリット | 運営のポイント |
---|---|---|
紙台紙 | 直感的・配布が簡単 | 押印所を分散→行列回避、雨天や破損の予備を確保 |
QR/フォーム | 集計が速い・不正防止 | 通信不良に備えオフライン案内、QR掲示は腰高で見やすく |
アプリ | 高機能・再訪促進 | 事前DL導線を告知、当日はWi-Fi案内とスタッフサポート |
【実施手順】
- チェックポイント選定→価値提示とミッションを1つに限定
- 台紙/QRの制作→地図、手順、ゴール場所を大きく表記
- ゴール運営→確認→特典→主CTA入力(タブレット設置)
- 集計→達成率・滞在時間・CTA到達率をレポート化
- 地点が多すぎて周り切れない→離脱増
- ゴールが分かりにくい→満足度低下と不満蓄積
謎解き・宝探しで回遊促進の設計
謎解き・宝探しは「動機づけ」と「学び」を同時に提供できます。問題は難しすぎず、家族や初学者でも楽しめるレベルに設定します。
各スポットに“手がかり”を置き、答えを導く過程で商品機能や比較ポイントに触れるようにすると、理解が深まります。
導線はUターンが少ない一方通行型が歩きやすく、混雑を避けられます。解答提出はQRフォームにすると集計が容易で、正答者にだけ見える「限定クーポン」や「次回イベント先行案内」を配布すると、行動につながりやすいです。
要素 | 設計の要点 | 実装例 |
---|---|---|
難易度 | 直感+少し考える程度に設定 | ヒントを段階化→ヒント1→ヒント2で離脱を防止 |
導線 | 往復を減らし迷いを最小化 | 一方通行マップ、床サイン、現在地表示を要所に設置 |
学び | 手がかり=製品理解のポイント | 「ここを触ると違いが分かる」案内→比較体験へ誘導 |
提出 | QRで解答→自動判定 | 正答者画面に主CTA→予約/クーポン保存ボタン |
【運営のコツ】
- スタート地点で所要時間とゴール場所を明示→不安を軽減
- 写真OK/NGの基準を提示→SNS連携ならハッシュタグを指定
- 雨天・混雑時の代替ルートを用意→安全第一で運営
- 最後に“答え合わせパネル”→学びを言語化
- 参加賞は軽く薄く→持ち帰りやすさを優先
くじ引き・抽選会で来店動機づくり
くじ引き・抽選会は参加ハードルが低く、初来店や家族層の集客に向きます。来店→体験→抽選の順に設計すると、売場回遊と滞在が自然に伸びます。
抽選条件は「◯店舗/◯ブース体験」「◯円以上購入」「アンケート回答」など行動と連動させ、達成のために会場を回ってもらう仕組みを作ります。
抽選方法は紙くじ、抽選器、デジタル抽選のいずれでも、当選判定と在庫管理が明確であることが重要です。
ゴール地点では主CTA(次回予約・会員登録・クーポン保存)を案内し、当選有無にかかわらず“次の行動”が残る設計にします。
項目 | 設計ポイント |
---|---|
参加条件 | 行動連動で設定→体験/購入/登録のいずれかと紐づけ |
当選率 | 時間帯で配分し枯渇を防止→ラストに小当たり増で満足度維持 |
景品運用 | 見える場所に残数を掲示→代替品と案内文を事前準備 |
導線 | 抽選前に主商品に触れる工程を挿入→理解→抽選→CTA |
【実施手順】
- 条件と景品リストを決定→在庫・代替・告知文を作成
- 抽選ブースのレイアウト→入口と出口を分けて回転を確保
- 当選判定→引換→主CTA案内を一連の動線で実装
- 結果を集計→時間帯別の参加率とCVを評価
- 長い待ち列は不満の原因→分散運営と整理券の併用
- 在庫切れ時の対応を明文化→代替提案とお詫びを即時掲示
SNS・UGC・コラボ型の拡散設計

SNS・UGC・コラボ型は、第三者の声と相互露出で信頼と到達を同時に伸ばす設計です。まず「誰に何を投稿してもらい、どの行動につなげるか」を決めます。
役割は、SNS告知で参加の呼び水を作り、UGCで比較検討の後押しを行い、コラボで未接触層へ広げる流れが基本です。
運用では、応募条件・許諾・クレジット・掲載期間を統一し、収集→選定→再掲→計測のサイクルを週次で回します。投稿フォーマットは表紙・本文・締めCTAの言い回しを統一し、プロフィールやLPと同じ用語で一貫させます。
計測は、プロフィール到達率・リンククリック率・保存率など行動に近い指標を重視し、反応の良い投稿は広告やハイライトに横展開します。
【拡散の軸】
- 目的の明確化→認知・信頼・CVのどれを増やすか
- 投稿フォーマットの統一→見出し・画像・CTAの共通化
- 権利・期間の事前合意→許諾文をテンプレ化
- 回収導線→専用ハッシュタグやフォームで一元管理
施策 | 狙い・KPI | 実装のヒント |
---|---|---|
フォトコンテスト | 認知拡大と保存増→投稿数・到達・参加率 | テーマを一文で明示→応募方法と締切を固定画像で案内 |
UGC再掲 | 比較検討の後押し→プロフィール到達・CV | 許諾とクレジットを徹底→事例ハイライトに集約 |
共同投稿 | 未接触層への同時露出→新規フォロー・クリック | 表紙とCTAを共通化→公開日時を同期 |
- 募集要項・許諾・クレジット・掲載期間を明文化
- 成果の受け皿を用意→プロフィールとLPの訴求統一
フォトコンテスト企画と運用設計
フォトコンテストは参加ハードルが低く、UGCを継続的に生み出せます。成功の鍵は、テーマの一意性と応募条件の明快さです。
「誰でも撮れるが、差が出る」テーマを選び、投稿文テンプレ・必須ハッシュタグ・締切・選出基準・賞品受け取り方法を一枚の告知画像で示します。
応募は指定ハッシュタグやフォームで回収し、掲載許諾とクレジット表記の同意を取得します。選出後は、受賞作の意図や撮影のコツを解説し、学びの価値を付与すると保存と再訪が増えます。
再掲時は、表紙でテーマと受賞名を大きく、本文で商品の活用例→締めで主CTA(相談・購入・予約)とします。
項目 | 設計の要点 | 実装例 |
---|---|---|
テーマ | 一文で明確・比較しやすい | 「◯◯が伝わる一枚」「◯◯のある暮らし」 |
応募条件 | 投稿方法・必須タグ・締切を明示 | 指定ハッシュタグ+@メンション+公開範囲 |
選出基準 | 事前に公開→納得感の担保 | 構図・テーマ適合・活用度など評価軸を列挙 |
権利・掲載 | 許諾と期間・撤回方法を明示 | テンプレ文で同意→クレジット固定表記 |
【運用手順】
- テーマ決定→告知画像と応募要項を作成
- 回収導線を整備→ハッシュタグとフォームを設置
- 審査・連絡・再掲用のテンプレを準備
- 受賞作の再掲→ハイライト化→インサイトで評価
- 肖像・商標・第三者の写り込みへの配慮→同意が取れない場合は掲載不可
- 未成年の参加は保護者同意を徹底→案内文に明記
ハッシュタグ投稿促進と導線設計
ハッシュタグは、発見性と回収効率を決めます。関連性を最優先に、ブランドや業種のコアタグ、企画名や課題を表すミドルタグ、地域・用途などのロングタグを組み合わせます。
ユーザーには「投稿例」「撮り方のコツ」「必須タグ」をセットで提示し、迷いを減らします。投稿を見つけた後の導線は、プロフィール→ハイライト→LPまで同じ文言で一貫させ、保存やクリックを阻害しないようにします。
社内では回収担当と再掲担当を分け、許諾取得のテンプレと掲載ルール(クレジット・加工可否・掲載期間)を共有しておくと運用が安定します。
タグ層 | 目的 | 例 |
---|---|---|
コア | 誰の何の話かを明確化 | ブランド名・業種名・商品カテゴリ |
ミドル | 企画や課題に紐づけ | 企画名・使い方・お悩みワード |
ロング | 検索の意図合わせ・具体化 | 地域名・用途・サイズ・季節 |
【導線づくりのコツ】
- 固定投稿で「投稿例」と「必須タグ」を画像で提示
- ストーリーズで参加方法を再掲→ハイライトに保存
- プロフィールの主CTAと同じ言い回しを繰り返す
- タグの検索保存→新着を日次で確認
- 掲載候補をスプレッドシートに蓄積→許諾状況を管理
共同投稿・タイアップ施策の設計
共同投稿は、同じ投稿を双方のフィードに表示でき、短時間で到達を伸ばせます。成功には「目的・CTA・公開日時・文面・権利」の事前合意が欠かせません。
テーマは双方の強みが交差する領域に設定し、表紙・冒頭・締めの言い回しを共通化します。役割分担は、制作・撮影・コメント返信・計測の担当を明確にし、FAQを共有して回答のブレを防ぎます。
タイアップでは、掲載媒体・期間・成果の定義(クリック・来店・申込)を先に決め、計測用のリンクやクーポンを用意します。
公開当日はストーリーズで相互送客し、リール・フィード・短尺記事の3面展開で露出を重ねると効果が安定します。
相手 | 狙い | 合意事項の例 |
---|---|---|
関連ブランド | 未接触層への拡張 | テーマ・CTA・公開日時・再編集可否・期間 |
クリエイター | 制作品質と説得力の強化 | ギャラ・権利範囲・表示義務・レビュー期限 |
地域団体 | ローカルでの実来店促進 | 会場・安全・許諾・告知分担・計測方法 |
【進め方】
- 目的とKPIを合意→CTA文言を先に確定
- 台本と画面構成を共有→表紙と締めは固定
- 公開日時を同期→当日は相互メンションで送客
- インサイトを共有→良い型をテンプレ化して継続
- CTAやリンク先の不一致→クリック分散で効果低下
- 無断の再編集・トリミング→信頼低下の原因
セミナー・展示・ポップアップ型

セミナー・展示・ポップアップ型は、短時間で「学ぶ→触れる→比べる→申し込む」までを一気通貫で設計できる集客アイディアです。
来場型セミナーは理解を深め、展示は手元で体験を促し、ポップアップはその場購入や予約につながる“最短導線”を作れます。
重要なのは、各施策を単発で終わらせず、告知→受付→会場導線→回遊コンテンツ→CTA(予約・購入・相談)→アフターフォローの流れを一つの設計図にまとめることです。
受付時のQRで名寄せし、会場内の行動(着席・視聴・デモ体験・見積依頼)と紐づけて可視化すると、効果検証が容易になります。
安全・混雑・同線の管理は満足度を左右します。会場図は一目で「現在地→次の見どころ→ゴール(申込)」が分かるように掲示し、スタッフは案内役・説明役・会計や予約の受け皿に役割分担を行いましょう。
【活用シーン】
- B2B:新機能説明→デモ→個別相談の連結で商談化を加速
- EC/店舗:触って試せる展示→ポップアップ販売で即時CV
- 地域:期間限定イベントで認知と再訪のきっかけ作り
- 事前登録と当日受付を同じIDで連携→追客の抜けを防止
- “次の一歩”は会場の至る所で同じ言い回しを反復
来場型セミナーとウェビナー設計
来場型セミナーは「没入感と体験の同期」、ウェビナーは「到達と回収効率」に強みがあります。どちらも、目的(認知・検討・申込)に応じて構成を変え、冒頭で結論→中盤で根拠と事例→終盤でCTAという三部構成にすると理解が進みやすいです。
来場型は、前方に体験台や実機を置いて“見て触れる”時間を必ず確保します。ウェビナーは、申込フォーム→自動リマインド→当日配信→即時アンケート→資料DL→個別相談の導線を一本化し、視聴ログと行動ログを紐づけて追客精度を高めます。
質疑はFAQの雛形を用意して回答のブレを抑え、終了後は録画アーカイブを固定投稿とLPに保存し、継続的なリード獲得に活用します。
パート | 狙い | 実装例 |
---|---|---|
導入 | 期待の明確化→離脱抑制 | 所要時間とゴールを宣言→「最後に特典と相談枠案内」 |
本編 | 理解と納得の形成 | ビフォーアフター・比較表・実演動画を交互に提示 |
CTA | 行動の明確化 | QRで予約/資料→その場で入力できる席を用意 |
【設計の要点】
- 来場型:着席→デモ→CTAの距離を短縮→動線は一方通行で迷いを排除
- ウェビナー:自動リマインドと追客メール→視聴率と商談化率を改善
- 情報過多で時間超過→要点は3つに圧縮、配布資料で補完
- 録画や資料の権利表記を明確化→二次利用の同意も取得
展示会・ミニ展示と商談導線設計
展示は「見て触る」ことで比較検討を一気に進めます。大型展示会では、通路からの視認性と“立ち止まり理由”を作るのが肝心です。
ブースは〈呼び込み→実演→相談→記録〉の4ゾーンに分け、最初に結論を掲示(例:◯◯が早い・安い・簡単)し、実演台は通路からも手元が見える高さと角度にします。
ミニ展示では、売れ筋と比較基準を1枚パネルに集約し、タッチ&トライの手元導線を作ると滞在が伸びます。名刺やQRでリード情報を回収し、相談席では“その場で予約/見積”が完了するようタブレットを常設します。
商談化を高めるには、展示内容とLPの言い回しを合わせ、後日送るメールの件名とブース掲示のメッセージも統一すると、想起が促されます。
ゾーン | 目的 | 実装例 |
---|---|---|
呼び込み | 足を止める | 大判見出し+価格/効果の一行、スタッフの一言訴求 |
実演 | 違いの体感 | 比較物差しを明示→「ここを見てください」で誘導 |
相談 | 課題の深掘り | 業種別の事例冊子と見積テンプレを常備 |
記録 | 追客の土台 | QR/名刺スキャン→興味タグを選択→即時お礼メール |
【商談導線の作り方】
- デモの最後に「予約はここ→」を掲示→行動を一つに集中
- 後日送付の資料とブースの掲示を同じ見出しに統一
- 時間割デモ(毎時00分/30分)→人だまりを作りやすい
- “比較表”はA4一枚で持ち帰り可→保存と再訪を促進
期間限定ポップアップの設計要点
ポップアップは、限定性と体験性で“今”の来店と購入を引き出す施策です。場所はターゲットの動線上(駅ナカ・商業施設・イベント同時開催エリア)を優先し、店頭視認を高める大見出しと価格表示を用意します。SKUは絞り込み、在庫・決済・レジ回転を最適化します。
試用台やフォトスポットを設置し、UGCのきっかけを作りましょう。会計後は「次の一歩」(本店・EC・予約)の導線を配り、会員化やLINE登録で再訪の接点を確保します。
返品・保証・問い合わせ先などの安心情報は店頭で見える位置に掲示し、レシートやカードにも同じ表記を入れると信頼が高まります。
終了後は、在庫と売上、時間帯別の来客、UGC数、会員登録数を振り返り、常設店やECの施策に転用します。
項目 | 要点 | 実装例 |
---|---|---|
立地 | ターゲットの動線と滞留 | 駅ナカ/主要導線の角、共催イベント近接 |
SKU/在庫 | 選択肢は少数精鋭 | ベストセラー+限定色、在庫は日次補充 |
体験/UGC | 撮る・試す・共有する | 試用台+撮影背景、ハッシュタグと特典を掲示 |
会計/再訪 | 回転と継続接点 | 非接触決済+会員登録QR→EC/本店クーポン配布 |
【注意点】
- 在庫切れ時の代替と告知文を準備→不満の拡散を予防
- 撮影可否と掲載範囲を明記→肖像や商標への配慮を徹底
- レジ行列で離脱→モバイル決済と即売区を分離
- ポップアップだけの価格訴求で常設の価値が希薄化→特典は体験や会員化中心に
ローカル・ファン・リピート施策型

ローカル・ファン・リピート施策は、地域内の信頼を土台に「初回来店→比較→再訪→ファン化」までを段階的に進める設計です。
商店街や地域団体と連携した回遊イベント、会員限定の感謝施策、来店導線とクーポンの最適化を組み合わせることで、短期の来場数だけでなく、中長期の売上と口コミが安定します。
重要なのは、誰に何を体験してもらい、最終的にどの行動へ進めたいかを先に決めることです。店舗前のサイン、会場マップ、受付QR、会員登録、特典配布、再訪クーポンまでの“ひとつながりの道”を用意し、各地点で同じ言い回しのCTAを繰り返します。
計測は日別の来店数だけでなく、回遊率、会員化率、再訪率、口コミ・UGC件数まで追うと、費用対効果が見えやすくなります。
【基本設計の考え方】
- 目的とKPIの明確化→来店・会員化・再訪・購買のどれを伸ばすか
- 地域の力を活用→商店街や学校・自治体と役割分担を可視化
- 一貫した導線→サイン・QR・クーポンの表記を統一
- “初回”と“再訪”で特典を分ける→目的別に最適化
- 会員登録→来店→レビュー投稿の順で自然に進む導線を設計
商店街×地域連携イベントの設計
商店街や地域団体と連携したイベントは、複数店舗を巡る理由を作り、滞在時間と購買接点を増やせます。
まず主催(商店街組合など)と参加店舗、協力団体(学校・自治体・交通事業者など)の役割を整理し、回遊マップと共通ルール(営業時間、スタンプ/QR、特典、緊急対応)を決めます。
ゴール地点を一箇所に固定すると混雑しやすいため、複数の引換所や時間帯別の引換枠を設けると体験品質が安定します。
集客はポスター・チラシだけでなく、地域ポータル、商店街SNS、学校配布物、自治体の広報欄を使うとリーチが伸びます。来場データは受付QRで回収し、店舗別の回遊率や特典引換率を週次で共有すると、PDCAが回しやすくなります。
関係者 | 主な役割 | 合意しておく事項 |
---|---|---|
商店街組合 | 全体統括・広報・回遊マップ作成 | イベント期間・費用分担・ルール・緊急連絡網 |
参加店舗 | 特典提供・店頭サイン・レジでの案内 | 特典内容・在庫・引換方法・混雑時の対応 |
協力団体 | 会場/設備提供・安全管理の支援 | 使用許可・保険・清掃/騒音・撮影可否の基準 |
【進め方の例】
- テーマと回遊ルートの確定→3〜6地点に絞る
- 共通ルールとビジュアル制作→サインと台紙/QRを統一
- 引換所の分散と時間指定→行列を分散
- 受付QRで名寄せ→回遊率・引換率・再訪率を共有
- 景品在庫の偏り→残数掲示と代替案を事前に準備
- 動線が複雑→現在地→次の地点→ゴールを一目で分かるマップに
会員限定・ファン感謝イベント設計
会員限定やファン感謝は、既存顧客の満足度とLTVを高める施策です。まず会員区分(新規・リピート・VIPなど)と招待条件、定員、特典の設計を行い、招待→参加→レビュー/紹介までの導線を一本化します。
特典は大幅値引きよりも、先行体験、限定色、製造/開発の裏側ツアー、名前刻印など“体験価値”を優先すると満足度が上がります。
受付は会員IDと紐づけ、当日はウェルカムドリンクや試用台、フォトスポットでUGCを促進します。
終了後は限定クーポンや次回先行案内を配布し、レビュー投稿の導線(テンプレ文と必須タグ)を用意すると口コミが増えます。社内ではCRMと連携し、参加履歴、購入履歴、UGC投稿を一元管理しましょう。
- 会員限定カラー/刻印/サイズの先行販売
- 開発者や職人トーク+工房/バックヤード見学
- 購入金額に応じた“次回の体験”招待
【運営のポイント】
- 招待条件を明確化→抽選/先着/ロイヤル度で公平性を担保
- 当日の役割分担→案内・撮影・会計・予約の受け皿を分ける
- 終了後48時間以内のフォロー→写真配布と次の一歩を案内
- 値引き過多で常設価値が希薄化→体験と限定性で差別化
- 転売・席の横流し→本人確認と譲渡ルールを明記
来店導線とクーポン施策の設計
来店導線は、認知→検索→地図→店頭→会計→再訪の各地点で迷いをなくすことが要です。MEOの基本(名称・カテゴリ・営業時間・写真・口コミ返信)を整え、地図アプリやSNSの固定投稿から店舗LPへ同じ言い回しで誘導します。
店頭では大見出しと価格・体験ポイントを一枚に集約し、会計付近に会員登録と再訪クーポンのQRを設置します。
クーポンは目的別に設計し、初回は“体験の後押し”、再訪は“次回の理由づくり”、離脱救済は“再検討のきっかけ”に位置づけると効果が安定します。
配布と回収はPOSやフォームで記録し、時間帯別や媒体別のCVを可視化して予算配分を調整します。
目的 | クーポン種類 | 設計ポイント |
---|---|---|
初回来店 | 体験割・無料トッピング・初回相談無料 | 体験直後に配布→有効期限は短め→行動を今に寄せる |
再訪促進 | 次回◯◯円引・セット割・ポイント倍 | 会員登録と同時付与→来店周期に合わせた期限設定 |
離脱救済 | カゴ落ち/見積り離脱フォロー特典 | 追客メール/DMで限定提示→FAQリンクで不安解消 |
【導線づくりの手順】
- MEO/LP整備→表記と写真を統一
- 店頭サインと動線→現在地→体験→会計→QRを一目で案内
- POS/フォームで回収→媒体別・時間帯別のCVを可視化
- 結果に合わせ特典を最適化→割引依存を避け、体験価値へシフト
- 割引の常態化→通常価格の信頼低下に直結
- 有効期限が長すぎる→行動が先延ばしに
まとめ
本記事は、集客イベントを「目的に合う型から選ぶ」視点で12タイプに整理しました。設計は、目的とKPIの明文化→会場や動線の準備→告知と受付の設計→当日の運営→効果測定の順で進めると迷いません。
まずは小規模に一つ試し、来場者導線とデータ取得をセットで整えましょう。次の一歩は、目的とKPIの確定、タイプ選定、告知計画と評価表の準備です。