オウンドメディア集客は「目的×計測×継続」で成果が変わります。本記事では、ターゲットとKPIの定義、キーワード選定と記事設計、SEOとサイト構造、SNS・メールでの再訪導線、CTA最適化まで15のコツを体系化。今日から使えるチェックとテンプレで、PVとCVを着実に伸ばし、無駄工数を減らします。
目的とKPIの基礎
オウンドメディアの集客は、闇雲に記事を増やすよりも「目的→指標→改善」の順で進めると効果が安定します。
最初に決めるべきは、到達させたい行動(資料請求・問い合わせ・無料トライアル・来店予約など)と、そこに至る主要導線(記事末CTA・サイドCTA・内部リンク・メール・SNS再訪)です。
次に、KGI(案件化数や売上などの最終目標)と、KPI(セッション数・自然検索比率・CTAクリック数・コンバージョン率・再訪率などの中間指標)を分けて設定します。
計測は入口別(検索・SNS・広告・リファラ)と記事タイプ別(入門・比較・事例・ホワイトペーパー)で分解し、どの面を伸ばせば最終目標が近づくかを特定します。
最後に、週次で「仮説→施策→検証」を回し、反応の良い導線へ資源を集中します。
- 狙う顧客像と解決する課題を明確化→記事の着地点を統一
- KGI(最終)とKPI(中間)を分離→数字で優先順位を判断
- 入口×記事タイプで分解→伸ばすべき面を特定
- 週次検証サイクル→小さな改善を継続して積み上げ
ターゲットと顧客課題の把握
成果が出るコンテンツは、読む人の状況と悩みを正確に捉えています。想定読者を「情報収集中→比較検討→導入直前→導入後フォロー」の段階に分け、段階別の検索意図と求める情報を準備します。
たとえばBtoBなら「担当者は導入メリットと社内説明資料」、BtoCなら「使い方・価格・口コミの安心材料」が重要になりやすいです。検索語も段階で変わります。
入門層は「とは・やり方」、比較層は「比較・おすすめ」、導入直前は「料金・事例・失敗」。段階に応じて記事の役割とCTA(次にしてほしい行動)を変えると、回遊が自然につながります。
| 段階 | 主要課題・検索意図 | 記事例・CTAの例 |
|---|---|---|
| 情報収集 | 概要を知りたい/効果や仕組みの把握 | 入門記事・チェックリスト→関連入門への内部リンク |
| 比較検討 | 選び方・違い・導入条件の整理 | 比較表・失敗例まとめ→資料DL・事例集の案内 |
| 導入直前 | 費用・工数・社内説得の懸念 | 費用の目安・導入ステップ→見積依頼・相談フォーム |
| 導入後 | 使いこなし・活用ネタの不足 | 運用TIPS・FAQ→メルマガ登録・ウェビナー案内 |
KPIとKGIの目標値の決め方
目標は「現状の実績→到達させたい行動→必要な中間数値」の順で逆算します。まず直近90日の平均から基準値を作り、季節要因を考慮して四半期ごとのレンジで設定します。
KGIは案件化数・売上・受注率などの最終成果、KPIはセッション数・自然検索比率・記事到達率・CTAクリック率・CVR・再訪率・メール開封率など、到達に効く中間の数字を選びます。
記事タイプごとに期待するKPIは異なるため、入門=回遊率、比較=CTAクリック率、事例=CVRといった“役割に合う指標”で評価します。数字は「誰が毎週更新し、どの会議で判断するか」まで決め、運用に落とし込みます。
- KGI(最終)とKPI(中間)を混同しない
- 直近実績+四半期レンジで現実的な目標にする
- 記事タイプ別に見る→入門は回遊、比較はCTA、事例はCVR
- 更新担当・判断会議・改定頻度をセットで決める
計測タグと目標到達点の整備
計測が曖昧だと、何を直せば良いか判断できません。まず「コンバージョン」を明確化し、フォーム送信・資料DL・外部ツール経由の予約完了・電話タップなどを到達点として定義します。
次に、記事到達・スクロール・CTAクリック・内部リンククリックなどのイベントを整理し、命名規則(小文字統一・カテゴリ/記事ID/CTA位置など)を決めます。
入口別の比較ができるよう、自然検索・SNS・広告・メールをパラメータで区別し、重複計測を避けます。
配信前にはテスト環境で到達点までの動作確認を行い、公開後1週間は毎日ログを点検すると安心です。
- 到達点(CV)の定義→フォーム送信・DL・予約完了・電話タップ
- イベントの設計→記事到達・スクロール・CTAクリック等
- 命名規則と入口区別→媒体×記事×CTA位置を識別
- テストと監視→公開直後は毎日ログ確認→不具合を早期修正
記事ごとの役割と導線の比較
すべての記事に同じCTAを置くと、読者の段階とズレて反応が鈍ります。入門は理解を深める関連記事への回遊、比較は選び方と違いの提示から資料DLや相談へ、事例は自分ごと化を促して問い合わせへ、と役割を分けます。
導線は「本文中CTA→記事末CTA→サイドCTA→ポップアップ」の順で重ねつつ、押し付けにならない頻度に調整します。
スマホではファーストビューと記事末の2か所を基本に、長文の場合は中盤にワンポイントCTAを配置すると、迷いが減ります。評価は記事タイプ別の主要KPIで行い、反応が良い導線を標準テンプレに昇格させます。
| 記事タイプ | 主な目的 | 主CTA/副CTAの例 |
|---|---|---|
| 入門・基礎 | 理解促進・不安解消・回遊の促進 | 関連入門への内部リンク/メルマガ登録 |
| 選び方・比較 | 判断材料の提供・差分の理解 | 資料DL・比較表DL/個別相談フォーム |
| 事例・インタビュー | 自分ごと化・導入イメージの形成 | 見積・問い合わせ/事例集一括DL |
| ホワイトペーパー | 詳しい情報提供・リード獲得 | DL完了→メールでナーチャリング/関連ウェビナー案内 |
キーワードとコンテンツ戦略
オウンドメディアの成否は、狙う読者の検索意図に合った「題材×粒度×導線」をそろえるかどうかで決まります。
はじめに、事業の受け皿(問い合わせ・資料DL・無料トライアルなど)を確認し、そこに近い意図のキーワードから着手します。
検索需要が大きい語だけを追うと競合が強く、成果まで時間がかかります。入門・比較・事例・FAQといった記事タイプを組み合わせ、ヘッド(包括ガイド)→ミドル(選び方・比較)→ロング(具体的な使い方・ニッチ課題)の順で面を広げると、回遊が自然につながります。
記事は「誰の、どの悩みを、どの行動へ導くか」を一文で定義し、タイトル・見出し・CTA・内部リンクが同じ方向を向くよう統一します。
- 事業の受け皿に直結する意図から着手→無駄な流入を抑制
- ヘッド・ミドル・ロングを段階的に拡張→回遊と再訪を最大化
- 記事タイプを役割で分担→入門は回遊、比較はCV、事例は信頼
- タイトル・見出し・CTAの一貫性→離脱と迷いを最小化
検索意図と優先キーワードの把握
検索意図は「知りたい(Know)」「比べたい(Compare)」「申し込みたい(Do)」に大別できます。
優先順位は、事業の目標に近い「Do/Compare」に寄せつつ、指名検索やブランド想起を増やすための「Know」も土台として整備します。
まず現状の獲得導線(資料DLや問い合わせ)に最短でつながる語を抽出し、直近3か月の検索需要と競合性(上位の質・ドメイン強さ)を見て着手順を決めます。季節要因やキャンペーンと連動する語は公開時期が重要です。
以下の対応表を使って、語ごとに狙う行動とCTAを固定すると、記事の役割がブレません。
| 意図 | キーワード例 | 記事・CTAの例 |
|---|---|---|
| Know | オウンドメディア とは/目的/始め方 | 入門ガイド→関連入門・用語集・チェックリスト |
| Compare | オウンドメディア 事例/成功要因/KPI | 比較・成功要因まとめ→資料DL・事例集DL |
| Do | オウンドメディア 代行/費用/見積 | 費用と範囲の明示→問い合わせ・見積依頼 |
| Trouble | 流入 伸びない/CV 低い/更新 できない | 原因と対処の手順→無料診断・相談予約 |
キーワード分類と記事粒度の決め方
分類は「ヘッド/ミドル/ロング」に加え、「資産記事(長期検索)/瞬間需要記事(季節・キャンペーン)」の二軸で考えると運用が楽になります。ヘッドは包括的に、ミドルは選び方・比較や方法に、ロングは具体的な悩みや使い方に寄せます。
粒度は検索語の具体性に合わせ、1記事=1テーマを原則にします。重複テーマは統合し、共起語と見出しで網羅性を高めます。
内部リンクは“上から下へ・隣へ”の二方向で設置し、回遊の道筋を固定します。以下の観点で記事計画に落とし込むと、過不足が見えやすくなります。
- ヘッド=包括ガイド/ミドル=選び方・比較/ロング=具体的HowTo
- 資産記事=通年検索、瞬間需要=季節・ニュース連動で短期流入
- 1記事1テーマ・重複は統合→評価分散を回避
- 上位(包括)→下位(具体)→隣接(関連)の内部リンクで回遊強化
一次情報と信頼表示の整備
検索上位は“情報のオリジナル性”と“検証可能性”を重視します。一次情報とは、自社で取得したデータや調査、独自の手順や検証結果、担当者の経験・実績など、他では得られない根拠です。
公開時は、取得方法・期間・対象・母数などの前提を簡潔に示し、図表で要点を可視化します。あわせて、運営者情報・執筆者の経歴・監修体制・問い合わせ先など、読者が「誰が書いたか」を確認できる要素を整えます。
価格や手順を扱う記事は、更新日や変更可能性の明記も欠かせません。迷ったら、読者が意思決定に使えるかどうかで掲載可否を判断します。
- データの出所・取得方法・期間・母数の明記
- 運営者・執筆者・監修のプロフィールと役割
- 更新日と差分の注記(価格・仕様・手順は特に重要)
- 問い合わせ先と訂正窓口の提示(透明性の確保)
企画カレンダーと更新頻度の改善
更新は「需要曲線」と「制作キャパ」の交点で決めます。検索のピークや商戦期に合わせ、公開時期を逆算して制作を前倒しにします。
新規とリライトは半々程度から開始し、伸びしろのある準上位(10〜20位)の記事を優先して底上げすると効率的です。
チーム運用では、週次でパイプライン(企画→執筆→校閲→公開→振り返り)を可視化し、滞留を早期に解消します。
メールやSNSでの再訪施策をカレンダーに組み込み、記事公開→配信→追記のループを回すと資産化が進みます。
- 四半期テーマを決定→需要ピークから逆算して公開週を確定
- 新規:リライト=1:1で開始→準上位の底上げを最優先
- 週次会議で滞留を共有→担当・期限・阻害要因を明確化
- 公開→配信→追記を1スプリントで完結→定点で数値検証
SEOとサイト構造の設計
SEOはテクニックの前に「情報の整理」と「迷わない導線」が土台です。検索意図に沿って記事の役割(入門・比較・事例・FAQ)を分け、サイト構造ではトップ→カテゴリ→記事→関連記事の階層を明確にします。
内部リンクは“関連性の近さ”と“次の行動”を優先し、記事内では本文中リンク→記事末リンク→サイドの順で自然に案内します。
カテゴリは重複を避け、1記事1カテゴリを原則にすることで評価の分散を防ぎます。パンくずは階層と一致させ、検索経由のユーザーが現在地を把握できるようにします。
技術面では、見出しの用語統一、画像の軽量化、モバイルでの読みやすさ、ファーストビューの最適化が重要です。以下の要点を満たすと、回遊が伸び、検索評価も安定します。
- トップ→カテゴリ→記事の階層を明確化→迷いと離脱を抑制
- 内部リンクは「近い意図」+「次の行動」へ誘導→CVに直結
- 1記事1カテゴリの原則→評価の分散を防止
- パンくず・見出し・タイトルの用語を統一→一致性を担保
内部リンクと回遊率の改善
内部リンクは「読者の次の疑問」に答える最短の道をつくる作業です。まず、記事を“入口(入門)”“判断(比較)”“背中押し(事例・料金)”に分類し、それぞれの主CTA(資料DL・問い合わせ等)と副CTA(関連読む・メルマガ等)を決めます。
本文中では、段落の結論付近に1リンク、記事中盤に1リンク、記事末に「次に読むべき」2〜3リンクを配置すると、回遊が安定します。
アンカーテキストは「名詞+効果」など具体表現にし、同一記事内で同じリンクを過剰に繰り返さないようにします。
リンク先は必ず“上位の包括記事”と“隣接する関連記事”の両方向を用意し、読者のレベルに応じた進路を用意すると離脱が減ります。
CVに近い記事へは、本文中リンクを早い段で差し込み、スクロール前に到達できる導線を意識します。
- 役割別に主CTA・副CTAを固定→リンク配置の迷いを解消
- 本文中・中盤・記事末に計3〜5リンク→自然な回遊を実現
- 「名詞+効果」の具体テキスト→クリックの意図を明確化
- 包括記事(上へ)+関連記事(横へ)に誘導→理解とCVを両立
カテゴリ設計とパンくずの基準
カテゴリは“読者の頭の中の引き出し”に合わせて少数精鋭で設計します。広すぎるカテゴリは情報が混ざり、細かすぎるカテゴリは分散します。
原則は、上位5〜8カテゴリに収め、名称は一般語で統一。パンくずは実際の階層と一致させ、カテゴリ名→記事タイトルの順にします。
記事を複数カテゴリに重複所属させると評価が割れるため、タグ機能で補助する運用が安全です。トップやカテゴリに導入文を用意し、どんな課題が解けるコーナーかを明確にすると、初見ユーザーの回遊が伸びます。
| 項目 | 推奨基準 | 避けたい例 |
|---|---|---|
| カテゴリ数 | 5〜8に集約。年次や季節で増やさない | 10超の細分化→評価・回遊が分散 |
| 命名 | 一般語で短く統一(例:始め方/比較/事例) | 社内用語・抽象語(例:ソリューションX) |
| 重複所属 | 1記事1カテゴリ。タグで補助 | 複数カテゴリに常時所属 |
| パンくず | 階層と一致。カテゴリ→記事の順 | タグや特集を挟み階層がぶれる |
タイトルと見出し表現のチェック
タイトルと見出しは“検索意図の翻訳”です。まず、タイトルに「主要キーワード+読者の目的(効果・不安解消)」を入れ、見出し(h2/h3)は段階的に悩みを解いていく順で並べます。
冗長な飾りや抽象語は避け、本文の要点と一致する語を使います。h2は領域名で簡潔に、h3は結論が想像できる具体語尾(決め方/比較/注意点/改善 など)にします。
検索結果でのクリック率を高めるには、数字やベネフィットを入れつつ、過剰な誇張は避けることが重要です。
公開前に、タイトル→導入文→本文の整合を読み合わせ、見出しだけで要点が把握できるかを確認すると、読了率が向上します。
- 抽象語の多用を避け、検索語と本文の要点を一致
- h2は領域名で簡潔、h3は具体語尾で意図を明確化
- タイトルは「主要KW+目的」を基本形に→過剰な誇張はNG
- 見出しだけで流れが追えるかを公開前に確認
画像最適化と表示速度の改善
画像は“理解を速くする道具”として使い、同時に速度を落とさない設計が必要です。サイズは表示領域に合わせ、横幅の上限を決めて出力。
形式は写真=JPEG/WebP、図表やロゴ=PNG/WebPを目安にし、圧縮率は視認性を損なわない範囲で高めます。
Lazy Loadで折り返し以降の画像読み込みを遅延し、Hero画像はあえて軽めの差し替え版を用意すると初速が安定します。
装飾目的の余計な画像は削除し、要点は1枚の図で伝える方が効果的です。速度は“体感”で判断せず、定点でLCP・CLS・INPなどを記録し、改善の優先度を決めます。
- 画像の役割を明確化→写真は雰囲気、図は要点可視化に限定
- 出力サイズと形式を統一→JPEG/PNG+WebPを使い分け
- Lazy LoadとHero軽量化→初速と総読み込みを両立
- 定点計測(LCP/CLS/INP)→数値で改善優先度を決定
配信と再訪導線の運用
オウンドメディアの成果は、公開して終わりではなく「配信→再訪→CV(問い合わせ・資料DLなど)」の循環をどれだけ安定して回せるかで決まります。
まず、配信チャネル(SNS・メール)ごとに役割を分け、記事タイプ(入門・比較・事例)とCTA(資料DL・相談・メルマガ登録)を結びます。
次に、初回接触の読者と再訪読者を区別し、見出しや導入の語り口・配信タイミング・着地ページを変えると無駄が減ります。
計測では、チャネル別のクリック率だけでなく、配信後の滞在時間や再訪率、最終CV率まで追い、配信の「質」を判断します。
下の整理を基準に、週次で配信テーマを決め、公開→配信→追記のループを固定化します。
| チャネル | 主な役割 | 見る指標の例 |
|---|---|---|
| SNS | 新規接触の拡大/ブランド想起の強化 | クリック率・再訪率・指名検索の増加 |
| メール | 既存読者の再訪/深い検討の後押し | 開封率・クリック率・最終CV率 |
| サイト内導線 | 回遊の最短化/CTA到達の補助 | 記事到達率・CTAクリック・離脱率 |
SNSとメール配信の役割の比較
SNSは拡散性と即時性が強みで、見出し・画像・短い要点で興味を引き、入門や話題性のある比較記事へ誘導します。メールは関係性が前提のため、要約+深掘りリンクの構成で「読了→次の行動」に集中します。
どちらも同じ記事を使えますが、訴求角度とCTAを変えると反応が伸びます。SNSは「気づき」を、メールは「決め手」を担うイメージです。
配信は曜日・時間帯で成績が変わるため、週次でABテストを続け、成果の良い型をテンプレ化します。
ハッシュタグや件名は記事テーマと一貫させ、クリック後に想定と違う着地を見せないことが信頼の土台になります。
- SNS→新規接触と想起づくり/入門・比較への誘導に最適
- メール→既読者の深掘りとCV後押し/事例・費用・DLと相性◯
- 同一記事でも訴求角度を変える→SNSは要点、メールは要約+決め手
- 曜日・時間でABテスト→勝ちパターンをテンプレに昇格
- ハッシュタグ・件名と着地の整合→誤差をなくし離脱を防止
CTA配置とリード獲得の改善
CTAは「読者の段階に合った提案」を、邪魔にならない頻度で置くことが重要です。
スマホでは記事冒頭(ファーストビュー付近)に軽いマイクロCV(チェックリストDL・メルマガ登録)を、本文中盤に比較・事例への内部リンクを、記事末には主CV(資料DL・相談)を配置します。
ボタン文言は「資料をダウンロードする」のように行動を明確化し、到達先は必ず一つに統一。フォームは最小項目から始め、完了後に関連資料や人気記事への導線を出すと、再訪が安定します。下記のチェックで、配置の過不足とズレを素早く是正できます。
- 冒頭=軽い提案/末尾=主CV→段階に合わせて役割分担
- 文言は行動を具体化→「◯◯を申し込む」「◯◯をDLする」
- 到達先は一つに統一→分岐や外部遷移の迷いを削減
- フォームは最小化→完了後に関連導線で回遊を維持
ナーチャリング施策の導入
初回接触から直CVまで距離がある場合、段階的な情報提供で関係を温めます。仕組みは単純で、行動(資料DL・記事閲覧カテゴリ・メールクリック)に応じて、次に必要な内容を自動で届けるだけです。
たとえば入門記事を読んだ人には比較・失敗回避のガイドを、比較記事を読んだ人には事例・費用の目安を、事例を読んだ人には相談や見積の案内を送ります。
メールは短い要約+1リンクを基本にし、開封・クリックの履歴で頻度や内容を調整。配信停止や頻度変更の選択肢を明確にしておくと、長く読まれやすくなります。
| 読者段階 | 送る内容の例 | トリガー・次の導線 |
|---|---|---|
| 入門直後 | 基本のチェックリスト/用語集/入門ガイド | 入門記事閲覧→比較記事・メルマガ登録へ誘導 |
| 比較検討 | 選び方・成功要因・失敗回避/比較表DL | 比較記事閲覧→事例集DL・ウェビナー案内 |
| 導入直前 | 費用の目安・導入手順・社内説得資料 | 事例閲覧・資料DL→相談・見積フォーム |
| 導入後 | 活用TIPS・FAQ・アップデート情報 | CV後→活用記事・アップセル提案 |
FAQとチャット窓口の整備
再訪導線の「最後の一押し」は、不安の解消です。FAQは検索・配信でよく誤解される点から優先し、短い質問文と一行要約→詳細の順でまとめます。記事末やCTA付近に関連FAQを表示すると、離脱が減ります。
チャットは即答が価値ですが、すべてを人が対応すると負荷が高いので、まずは自動応答で「料金の考え方」「資料の場所」「担当への取次」など定型案内を用意します。
個別の深い相談はフォームや電話に切り替え、履歴をチームで共有します。運用は段階的に始め、週次で「よくある質問」を集約→FAQへ反映すると、自己解決率が上がり、配信→再訪→CVの流れが太くなります。
- FAQの核を作成→誤解されやすい点から優先して整備
- 記事末・CTA近くに関連FAQを掲示→離脱点をカバー
- チャットは自動応答を先行→個別相談はフォームへ接続
- 履歴を集約して週次反映→自己解決率と満足度を改善
運営体制と制作フローの基礎
オウンドメディアは「人と仕組み」の両輪が揃って初めて伸びます。最初に決めるのは、目的(CV増/問い合わせ増)とそれに直結する役割分担です。
編集長は方針と品質基準、編集は企画と進行、ライターは取材と執筆、校閲は事実確認、デザイナーは図版、公開担当は入稿と計測、分析は改善提案を担います。
フローは企画→取材→執筆→校閲→デザイン→入稿→公開→配信→振り返りを一本化し、各段階で「合格条件」を明文化します。
加えて、週次の短い編集会議で滞留を可視化し、期日と責任者を固定。タスクは可視化ボードで運用し、記事IDでファイル・画像・計測イベント名を統一します。
緊急案件や季節要因に対応できる余白(予備枠)を常に確保し、属人化を避ける交代可能な体制づくりが安定運用の鍵です。
- 役割と合格条件を文章化→判断のブレを抑制
- 週次会議で滞留を解消→担当・期限・次アクションを明確化
- 記事IDで資産を紐付け→画像・表・計測を一元管理
- 予備枠を確保→季節・突発に強いスケジュール運用
編集会議と企画テンプレの整備
編集会議は「意思決定を短時間で行う場」と割り切ります。目的は案件化に近いテーマへ資源を寄せること。会議前日までにダッシュボードと企画メモを更新し、当日は優先度・期待KPI・公開時期だけを決めます。
企画テンプレは、狙う読者像、検索意図(Know/Compare/Do)、想定キーワード、記事タイプ(入門/比較/事例/FAQ)、競合差分、一次情報の当て、見出し案、主CTA/副CTA、入稿期限を1枚に集約。
数週間後のリライト観点(内部リンク先・追記予定)も初回から書き込み、公開後の迷いを減らします。
| 項目 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 読者像 | 段階・課題・決裁の有無 | 誰の何を解くかを一文で固定 |
| 検索意図 | Know/Compare/Do の区分 | CTAと一致させて設計 |
| 一次情報 | 自社データ・取材・検証 | 取得方法と公開可否を明記 |
| 見出し案 | h2/h3の骨子 | 重複回避・網羅と差別化の両立 |
| 計測 | 到達点・イベント名 | 命名規則を記事IDで統一 |
執筆・校閲・公開の基準
執筆は「読者の疑問→結論→根拠→次行動」の順で簡潔に。事実と意見を分け、図表で要点を可視化します。
校閲は誤字脱字だけでなく、事実関係・数字・単位・日付・固有名詞・整合(タイトル⇄本文⇄見出し)を点検。
公開前にはメタ情報(タイトル・説明文・OGP)と内部リンク、画像の代替テキスト、計測タグの動作を確認します。
公開当日は配信文面とサムネも整え、公開後48時間の初速をモニタリングして微修正を許容。リライト基準(順位・CTR・滞在・CVR)を事前に決め、閾値を下回れば速やかに手当てします。
- 構成:疑問→結論→根拠→次行動の一貫性
- 整合:タイトル・見出し・本文・CTAの一致
- 正確:数字・固有名詞・日付・単位の再確認
- 技術:メタ・OGP・画像ALT・計測の最終確認
外注活用と品質管理のチェック
外注は「型と期待値」を先に共有すると成果が安定します。依頼時は企画テンプレ・想定読者・禁止表現・参考一次情報・見出し骨子・図表の指示・語尾ルールを一式で渡し、ドラフト段階で早めに方向性を合わせます。
納品後は事実確認と独自性の点検を行い、引用や数字に不足があれば差し戻し。画像はサイズ・形式・著作権の確認を徹底します。
継続発注ではスコアカード(構成・独自性・正確性・期日・修正量)で可視化し、合格ラインに満たない原稿は追加トレーニングかアサイン見直しを行います。
- 依頼前に「企画テンプレ+禁止/推奨表現」を共有
- ドラフトで早期レビュー→方向性のズレを是正
- 納品チェック→事実・独自性・著作権・計測の確認
- スコアカードで評価→継続条件と改善点を明確化
ガバナンスとリスク管理の注意点
運用は「コンプライアンス・権利・セキュリティ」を横断で管理します。
著作権・引用・画像利用の可否、個人情報の取扱い、景品表示や誇大表現の回避、医療・金融など規制領域の表現基準、外部サービスの契約・再委託、事故時の連絡フローを文書化し、全員が同じルールで動ける状態にします。
公開前チェックリストは必須項目と任意項目を分け、違反リスクの高い箇所を重点確認。インシデントは24時間以内に一次報告→72時間以内に原因と再発防止を記録し、テンプレへ反映します。
| 領域 | 目的 | 注意点 |
|---|---|---|
| 権利関係 | 著作権・画像・引用の適正利用 | 出所明記・二次利用可否・ライセンス範囲の確認 |
| 個人情報 | 収集最小化と安全管理 | 同意・権限分離・退職時の即時停止・バックアップ |
| 表現規制 | 誤認・過剰訴求の防止 | 根拠なき優良誤認の回避・価格の総額表示・更新日明記 |
| 事故対応 | 被害最小化と再発防止 | 連絡フロー・一次報告・原因分析・テンプレ改訂 |
まとめ
まず目的とKPIを数値で固定→優先キーワードと記事粒度を決定→内部リンクとパンくずで回遊を強化→CTAと計測タグを統一→SNS・メールで再訪を促進、の順が近道です。
今週は①トップ導線の見直し②重要10記事の内部リンク追加③主要イベントの計測確認から着手し、週次で効果を検証しましょう。


























